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環の細い土星

9月の新月期ですが、天気予報的には「晴れ」でも雲が多く*1、DSOの撮影には意外と向かない夜が続いています。23日も日中から雲が多く、とても撮影などできそうもない感じだったのですが……日が暮れると一転して雲が消えうせ快晴に。


さすがにこれは予想しておらず、出撃のタイミングを完全に逃してしまいました。とはいえ、せっかくの晴れ間、ふて寝するだけというのはもったいないです。というわけで、久々に惑星撮影システムを引っ張り出して、自宅前から衝を過ぎたばかりの土星を狙ってみることにしました。


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……パーツの組み合わせ方をすっかり忘れていて、準備に意外と手間取ったのは内緒です(笑)


で、準備万端、晩飯後に玄関先で機材を組み立て、ふと空を見上げると……


な ん で や ね ん orz


あまりにも「天文あるある」過ぎて泣けてきます。とはいえ、諦めるには雲の隙間が多いですし、なんとかするしかありません。


極軸合わせは雲の切れ間を縫ってPoleMasterで手早くすませ*2、鏡筒の光軸はエニフ(ペガスス座ε星)、サダルメリク(みずがめ座α星)、マルカブ(ペガスス座α星)と、雲の隙間を探しながら恒星像を確認し、どうにか合わせます。


そして土星……ですが、なにしろ写真のような空模様。頻繁に雲が横切って隠され、クリアな状態が1分と持ちません。


それでも、日付が変わって0時半を回る頃には雲の数も減り、ようやく土星がある程度安定して雲の外に出るようになってきました。そこで、ここぞとばかりに撮影。とはいえ雲が多いのに変わりはないので、必要なフレームを撮影したら長居は無用です。翌日が平日ということもあり、早々に撤収しました。


……で、なんで片づけ終わるとこんなきれいに晴れるんですかねぇ!?(T^T)q: *3


リザルト


今回撮った動画はごく少数なので、処理は簡単。カラー、モノクロともにAutostakkert!でスタッキングしたのち、waveSharpのZeroGaussでウェーブレット処理。これらをステライメージでLRGB合成して……はい、ドンッ!




2025年9月24日0時35分54秒,(日本時間)
セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender+Pierro Astro ADC MK3 SXP赤道儀
L画像:ZWO ASI290MM, Gain=350, 30ms, 2400フレームをスタック
RGB画像:ZWO ASI290MC, Gain=425, 30ms, 2400フレームをスタック


この写真では、昔ながらの惑星写真の作法に従い、南が上の倒立像になっています。




こちらは写っていた土星の衛星を強調したもの。第3衛星のテティス、第4衛星のディオネ、第5衛星のレアが見えています。


撮影自体が久々なことを考えれば、写りとしてはまずまずこんなところでしょうか。今シーズンは環の傾きが特に小さく、11月末には環をほぼ真横から眺める形になって、地球からは環が非常に見えづらくなるはずです。土星としてはかなり珍しい姿なので、しっかり確認しておきたいところです。




環が最も開いていた2017年の土星の写真(上)と並べてみましたが、8年やそこいらでこれだけ傾きが変わるのですね。


備忘録


ちなみに今回の撮影、昨年PCを入れ替えて以来、初めてFireCaptureを投入したことになるわけですが……カラーとモノクロ、2台のカメラを繋ぎ、FireCaptureを多重起動してそれぞれをコントロールしようとしたところ、エラーが出て多重起動できませんでした。


やむをえず、撮影時はFireCaptureを交互に起動してどうにかしのいだのですが、これでは不便で仕方ありません。というか、以前は普通に多重起動できていたので、これはいったい……?


と、ここで思い出したのがFireCaptureのバージョン。以前のPCには安全第一でv2.6を入れていた*4のですが、今回使ったPCには最新のv2.7.15を入れていたのです。リリースノートを見ると、答えが書いてありました。


解決方法は簡単で「Setting」→「General」で「Store setting in user $HOME directory」のチェックを外し、「Allow running multiple FC instances」にチェックを入れるだけ。これでv2.6以前と同様、多重起動が可能になります。


v2.7ではプログラム全体にかなり大幅に手を入れたようなので、そのあたりの兼ね合いでこうした設定が必要になったのでしょう。特に、以前からの利用者は割とハマりやすい箇所かと思うので要注意です*5

*1:気象庁の定義では「全雲量2以上8以下」が「晴れ」です。

*2:雲が多すぎて、精密な極軸合わせはパス。

*3:ちなみに、写真で分かるように、自宅周辺は空が狭い上に上空が電線まみれなので、一般的な天体写真にはとても使えません。1.5km近く離れた公園まで出かけなければいけない所以です。

*4:天体撮影機材はある意味「ミッションクリティカル」なシステムとも言えるので、自分の使用範囲内で特に問題なく動いている限り、ソフトウェアのアップデートは極力しないようにしています。

*5:とはいえ、v2.7系列は2022年にはリリースされているので、話としては決して新しくはないです。




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