以下の内容はhttps://hpn.hatenablog.com/entry/2025/01/24/191507より取得しました。


初物には要注意 ~QHY5III585M簡易レビュー(ドライバ編)~

前回からの続きです。

hpn.hatenablog.com


さて、オフアキ用に新調したQHY5III585Mですが、ハードウェアを一通り改めたところで、実際に使えるようにセットアップしていきます。


製品には、ショップが同梱してくれたUSBメモリがついてきています。



中身はASCOM Platform 6.5SP1、PHD2 v2.6.13、QHYCCDのAllInOne Pack(ドライバほか)、SharpCap、そしてQHYCCD純正のキャプチャソフトEZCAP_QT、SharpCapおよびカメラ本体の取扱説明書となっています。


取扱説明書をざっと見た感じ、注意点は「ドライバのインストール前にカメラを繋がない」ことくらいで、特に変わった点はなさそうです。




ドライバについては、QHYCCDのサイトを見てもUSBメモリに収録されている1月9日付のが最新の安定版のようですし*1、これで問題ないでしょう。


というわけで、早速ドライバのインストールを実行します。


QHYCCDのドライバパッケージは上記の通り「AllInOne Pack」と銘打っていて、このファイル1つ実行すればドライバのみならず、関連ソフトのインストールや必要なDLLの導入も行ってくれるという優れもの……ということらしいのですが、初見だとこれが案外厄介。




選択肢が多すぎて、何が必須で何が必要ないのか、とっさに捉えにくいのです*2SDK(ソフトウェア開発キット)とか、普通のユーザーはまず要らないでしょ……。


このあたりは、必須のものとそれ以外とにパッケージを分けてあるZWOの方がはるかに親切。なんでもかんでも1つにまとめりゃいい、というものじゃないのがよく分かります(^^;


ここではとりあえず、ドライバと動作確認用のEZCAP_QTをインストールして完了します。




そしてカメラを接続し「デバイスマネージャー」を確認すると、「AstroImaging Equipment」-「QHY5IIISeries_IO」という項目が現れていて、カメラがちゃんと認識されたことが分かります。


あとは動作確認……ということで、EZCAP_QTを立ち上げてメニューから「Connect to Live」を選択してカメラを接続すると……




……あれ?何も写りません。


露出時間やGainを調節しても全く無反応で、動いている様子がまったくありません。そもそも、タイトルバーに表示されるカメラの名前が「QHYDevelopDev」となっていて、いかにも怪しげです。




ならばPHD2は……と試してみるも、こちらはこちらでカメラを認識すらしません。





とどめにFireCaptureやSharpCapでは、EZCAP_QTと同様カメラが動作しない上、解像度の認識がめちゃくちゃなことになっています。なんだよ、14304×10748ピクセルってwww これは明らかに異常です。


本体のインジケーターLEDは点灯していないので、ハードウェア的な異常はおそらくなし。本体がほんのり暖かくなっているので通電もちゃんとしているようです。はて……?


何度か試しても状況が改善しないので、やむをえずショップに問い合わせのメールを投げます。メールを出したのが日曜夜。月曜が定休日なので遅くとも火曜には先方に届くでしょう。



……と、メールを出し終わったところで、ふとAllInOne Packのウェブサイト上での表記に気が付きました。


Latest Stable Ver. 20240109


……
…………
………………2024年(去年)の1月9日じゃん!orz


完っっっ全に日付を見間違えてました。QHY5III585Mは去年の年末近くになって発表された比較的新しい製品です。昨年1月段階のドライバでサポートされていなかったとしても、なんら不思議ではありません。


QHYCCDのサイトを見ると、2024年12月27日付のβ版ドライバが公開されています。おそらくこちらなら大丈夫でしょう*3。早速β版のドライバを上書きインストール!


……ダメでした。orz


カメラの機種名や解像度の認識は正しく行えるようになりましたが、露出時間やGainの変更には相変わらず無反応で映像もまったく写らず。


PHD2については、フォルダ内のqhyccd.dllをドライバ付属の最新版に入れ替えることでカメラを認識させることができましたが、動作は極めて怪しく、何かボタンを押すとPHD2ごとフリーズしてしまいます。


ここまでくると個人的にはもうお手上げです。ショップへの問い合わせメールにはβ版ドライバでの顛末を追記し、あとはショップからの返信に期待するしかありません。



……が、火曜を過ぎて水曜になっても、先方からは返信の「へ」の字も返ってきません。一方で、X(旧Twitter)のQHYCCDの公式アカウントは、こちらの日本語のつぶやきをしっかり拾ったのか、1日経たずにヘルプセンターへ案内してくれました。



ありがてぇ……。


あの調子だと、ショップのサポートがどこまで頼りになるのかはなはだ心許ないので、QHYCCD本体にも相談してみることにしましょう。症状を再確認するため、PCを起動しカメラを繋ぐと……


……あれ?普通にちゃんと動いてんじゃない、これ (゚_。)?


全く不可解ですが、何の異常もなくカメラが動作しています。映像もちゃんと送られてきますし、PHD2含めまったくもって正常です。なんだったんだ、あの苦労は……orz


なんとなくですが「再起動」ではなく、完全に電源を落としてからのコールドブートが効いたのかなという気はします*4が、今となっては理由不明。しかし、こういう気まぐれさは昔のPC周辺機器でしばしば見かけたもので、ビミョーに懐かしい気もします(笑)


まぁ、動きさえすればなんでもいいや~ヾ(@°▽°@)ノ






……というわけで、結果的にはβ版ドライバの導入でなんとかなったわけですが、ハード以前にソフトの面で色々と問題があったように感じました。


まずショップについてですが、同梱するUSBメモリに「製品が動作しないドライバ」を入れるのはどう考えてもまずいでしょう。初心者だったら間違いなく詰みます。


そして、これは広い意味での「ソフト」面での話ですが、問い合わせメールの返信が遅いのも問題。QHYCCDの公式アカウントが、日本語かつメンションを飛ばしたわけでもない投稿に1日とおかずに反応したのとはえらい違いです。一般に、この手のショップだと対応できるスタッフが少ない上、即時に回答ができないケースが多いのは分かりますが、せめてメールが到着した旨くらいは最低限知らせてほしいところです。



で、そのQHYCCDですが、こちらも色々と問題が。AllInOne Packのデキが褒められたものでないのは上に書いた通りですが、そもそもの問題点としてソフト開発の速度が遅すぎます。「β版のドライバを使わないと最新機種が動かない」というのは、やはり少々問題と言わざるをえません。


また、AllInOne PackにはカメラのASCOMドライバも入っていますが、これもPlatform 6.5までの対応にとどまっていて、最新の7.0 Update 2どころか2023年夏の6.6 SP2にすら対応していません。実際にはプラットフォームのバージョンが違っていても動くのかもしれませんし、ネイティブドライバがちゃんと動いてくれればASCOMドライバは必ずしも必要ないのですが、決して気分のいいものではありません。


PHD2において、qhyccd.dllを最新のものに手動で入れ替えないといけないというのも厄介なところ。ZWOに関してはついぞそんなことをやったことがないあたり、ZWOのドライバの作りが機種を問わないようになっているのか、最新ドライバの提供に熱心なのか……。ともあれ、現状がハードル高すぎなのは確かです。極めてシェアの高いソフトですし、それこそAllInOne Packで面倒見るなり*5、せめて手順を正式に公開するなりしてほしいところです。


こうしたところを見てみると、ZWOに勢いを持っていかれてしまったのもむべなるかなという気がします。今の「ものづくり」は、やはりソフトウェア開発力がモノを言いますね。

*1:気付いた人は気付いたと思いますが、これが罠だったわけですが……

*2:おまけに、実際のダイアログでは一度に8行ほどしかリストが表示されず、右側のスライドバーを動かさないと全部見られません。

*3:もっとも、ダウンロードページの互換性リストを見てもQHY5III585Mは載ってなかったりするのですが。

*4:いつもは真っ先に切っている「高速スタートアップ」が、PCの新調に伴い有効になっていたので、この線がかなり有力です。

*5:これはこれで、勝手に第三者のソフトに手を入れる形になるので気持ち悪いですが。




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