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『ハレー彗星の館の殺人 老令嬢探偵の事件簿』ロス・モンゴメリ|大叔母デシマと従僕スティーブンの痛快なやり取り

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『ハレー彗星の館の殺人  老令嬢探偵の事件簿』ロス・モンゴメリ 村山美雪/訳

KADOKAWA [角川文庫] 2026.03.22読了

 

レー彗星が地球に接近した1910年、イギリスの架空の土地が舞台である。当時のヨーロッパでは「ハレー彗星には有毒ガスが含まれており地球上の生物は死に絶える」というデマが本当にあったようで、これを信じたタイズ館の主人は、館を封じ込めようとする。結果的にこれがクローズドサークル的なものとなり、この館でその日に殺人事件が起こるのだ。なんというわくわく感!

 

り手のスティーブンはタイズ館に新しく雇われた従僕で、何やら少年院を出たばかりで謎めいた存在。厄介者の大叔母デシマの世話をするように命じられた。館を封鎖したその夜、館を抜け出してハレー彗星が流れる様を2人で観察をし記録を留めるシーンがすごく良かったなぁ。

 

ょっと変わってておもしろいなと思ったのが、デシマとスティーブンの2人でタッグを組んで推理するのではなく、途中からメイドのテンペランスもそれに加わるところ。泣き虫メイドでデシマの世話役を外されたのに妙に機転が効いて頭が良いのが予想外で…。デシマは探偵役なのだが、ミス・マープルとは違って口が汚くてなんとも豪快。

 

者のロス・モンゴメリは児童書作家とのことで、とても読みやすい。この作品は大人向けとのことだが、スティーブンの視点で語られるから子ども向けの冒険小説っぽくて、また全ての登場人物のキャラが立っているというかわかりやすいから、少年少女が読むのにも全く問題ない。さらに、事件解決後のエピローグの物語のまとめ方がなんとも児童小説っぽいのだ。

 

る意味大人にはちょっと物足りないところもあるけれど、この作品はシリーズとして続くみたいで、どちらかというとこれから先の物語の方が楽しみに思える。イギリスの古典的ミステリーにほど近い雰囲気はあるし、謎解き要素も満載、特にスティーブンとミス・デシマの痛快なやり取り、これがたまらない。




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