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『レイトン・コートの謎』アントニイ・バークリー|どんな些細な情報も読者にきちんと示す

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『レイトン・コートの謎』アントニイ・バークリー 巴妙子/訳

東京創元社[創元推理文庫] 2026.03.05読了

 

ょっと考えればわかるのに、読み始めるまでなぜか人が着るコートだと勘違いしていた。おもてなしが好きな実業家スタンワースが今回ホームパーティに選んだのが「レイトン・コート(邸宅)」である。密室で死体が発見されたとか、もう王道すぎるなぁとか思ったけれど、夢中になってしまった。

 

ームズ役のロジャーとワトソン役のアレックの応酬が小気味よい。というか、この2人喋り過ぎなんじゃないか!?ずっと喋ってるのが、さながらコントのようでもありかなり笑けた。なんだろう、この言い回しとか文体がはまるのかなぁ。バークリーは当時の探偵物を批判しているとかで、全体として探偵小説論!なんだよな〜。

 

ういう結末は今であれば驚きはしないのだけれど、当時はおそらく目が点になったろう。しかもバークリーは処女作でこれをやってのけたというのがまた驚きだ。というかなかなか度胸があるというか。これを出版した一年後に、イギリスで一番有名な女性推理小説家の例の作品論争が巻き起こったそうだ。

 

説で法月倫太郎氏がバークリー作品を「愉快な英国探偵小説」と表現してるのは頷ける。フェアプレイ精神を忘れずに、どんな些細な情報も読者に示すということが読み手への敬意に繋がる。こういうのがバークリー作品に惹かれる所以かもしれない。

 

日読んだ『毒入りチョコレート事件』のロジャー・シェリンガムのシリーズのひとつで、実はこちらがシリーズ一作目である。何も知らずに『毒入り~』を読んだのだが、思いの外おもしろくて、他も読んでみようと手にした。それにしてもロジャーがこんなに喋るキャラクターだったとはな。『毒入り~』ではそんなに目立たなかったのにね。

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