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『人間失格』太宰治|ダメ人間であればあるほど共感し羨望を覚える

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『人間失格』太宰治

筑摩書房[ちくま文庫] 2026.03.03読了

 

「恥の多い生涯を送ってきました」という、あまりにも有名な文章で始まるこの作品を読むのは何回目だろう。青空文庫でも読めるけれども、紙の本が好きなこともあるし、筑摩書房から刊行されたこの文庫本の佇まいに心惹かれた。表紙をめくると、初版単行本の表紙と直筆原稿のカラー口絵が付いている。そもそも太宰治作品は筑摩書房から生まれたのか。太宰治文学賞は筑摩だったな。

 

庭葉蔵という人物の手記により、自分がどのように生きてきて、なにをもって人間失格だというのかが語られる。ひたすらダメ人間であることを追い求める。訥々と語る堕落した自己。しかしダメであればあるほど、私たち読み手は共感し、またなんらかの羨望すら覚えてしまうような気がする。自分にも葉蔵と似たようなところがある。そして読んだ誰しもが自分の生きる意味を考える。

 

蔵の元にはなんだかんだと世話をやいてくれる人がいる。人たらしであることに疑いはなく、自伝的作品といわれることからも、実際の太宰さんも相当な人たらしだったのだろう。

 

末にある近代文学研究者の安藤宏さんによる「作家案内」と多和田葉子さんの「解説」がわかりやすく理解が深まった。多和田さんは『人間失格』をカフカの『変身』になぞらえていて、さすがの着眼点だなと思った。どちらが好みかと問われたら三島由紀夫さんのほうが好きだが、太宰作品もふとしたときに読みたくなる。彼の文体から立ち昇る優雅な絶望を感じたい、それに偉大なる日本文学であることは言わずもがなである。昨年の秋、青森の奥入瀬地方を旅して、すっかり青森の虜になってしまった。次は津軽を訪れて「斜陽館」に行ってみたい。

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