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『終の住処』磯﨑憲一郎|すれ違いながらも夫婦として生きていく

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『終の住処』磯﨑憲一郎

新潮社[新潮文庫] 2026.01.09読了

 

んとも不思議なストーリーである。30歳を過ぎて結婚した夫婦が、すれ違いのなかで生活を育み、11年間会話もなかったのに突然家を建てるという方向に話が進む。語り手は夫で、そもそもの結婚したての頃から何かがおかしい、噛み合わない。

 

の中では仮面を被ったかのような二人。子どもを通して意思の疎通を図るとか。そういえば「仮面夫婦」という言葉は死語になったのだろうか。「仮面夫婦」はこの作品の夫婦のそれとは意味合いが異なるがふと思い出した。

 

れにしても、すれ違いを埋めようと歩み寄ろうともしない、離婚をも選択しない2人の心理状態とはいかなるものなのか。生活を、人生をどこかで諦めたかのような彼(や妻)の孤独が垣間見られる。彼の、というか人間は本質的には孤独だということか。一度も表されてない妻の本心はいかなるものなのか、それは想像するしかない。文庫本の黒字の帯に赤々と書かれている問いかけについては、そんなに重要ではないしそこはこの作品のポイントではないような気がするのだけれども…。

 

﨑憲一郎さんの芥川賞受賞作品である。2年前に『日本蒙昧前史』を読んだとき、好みの文体だなと思ったのに、彼の他の作品を読むのに随分時間が空いてしまっていた。純文学の極みともいえるような「わからなさ」と「文体の成熟」が際立っている。表題作と合わせて『ペナント』という短編が収められている。蓮實重彦さんの解説がなんとも艶めかしく感じた。

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