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『われら闇より天を見る』クリス・ウィタカー|贖罪と深い愛に満ちたストーリー

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『われら闇より天を見る』上下 クリス・ウィタカー 鈴木恵/訳 ★

早川書房[ハヤカワ文庫] 2025.12.09読了

 

13歳の姉ダッチェスは6歳の弟ロビンを守りながら強く懸命に生きる。ダッチェスは自称「無法者」と名乗る。自分には無法者の血が流れているからと。最初はダッチェスのことが子どもながらにちょっと怖くて、近くにいたら距離を取りたいよなと思ってしまった。しかし彼女たちの壮絶な生い立ちと現状を知るにつれて、普通に生きることがいかに幸せなのかがわかる。ダッチェスを無法者と言わせる血脈とはなんなのか、過去に何があったのか。

 

ッチェスと並行して、警察署長を務める45歳のウォークがもう1人の主人公だ。彼は曲がったことが嫌いで正直ものだ。30年前の事件に深く関わりがある。その被害者と加害者、関係者と友達同士だったのだ。ミステリーのジャンルであるが、私には贖罪と深い愛に満ちた作品だった。

 

の小説を読んでいる間、人間は誰もが孤独なのだと思った。でも、傷みを伴うのは実は誰かのために生きていて、誰かを大事にしているからなのだとも感じた。ということは、人は孤独でありながらも誰かと共存しているということなのだ。

 

ォークやマーサを始め、どうしてこうも30年も前と同じ気持ちでいられるのか?人間の30年間とは決して短いものではないのに変わらないのか?つまり、変わるものもあれば、変わらないものもあるということだろうか。終盤は頁をめくる手が止まらず一気読みだった。読み終えると、あの伏線が、あのエピローグが、と構成力にも舌を巻く。

 

の作品は2023年の本屋大賞翻訳部門で第1位だったこともあって、単行本(ソフトカバー)刊行時からかなり気になっていた。比較的早く文庫になったことは嬉しい限りなのだが、文庫上下巻で2,200円超え、単行本とほぼ同じというのがなんだかなーという感じではある。あんまり価格のことには触れたくないのだけど、つい…。それでも、本屋大賞をはじめとした文学賞三冠に輝き、紛れもない傑作であるのは確かだ。著者の他の作品も読んでみたい。




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