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『私小説 作家は真実の言葉で嘘をつく』金原ひとみ/編著|ぜひとも言語の冒険を

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私小説   作家は真実の言葉で嘘をつく』金原ひとみ/編著

河出書房新社河出文庫] 2025.10.02読了

 

原ひとみさんが責任編集をしているのはもちろんだが、ずらりと並んだ豪華な作家の名前を見て、「これは良さそう」と手に取る。作品は時代が変われば受け止め方も変わるというのは理解していたが、作家をとりまく環境(編集者だったり出版社だったり)も、当たり前だけど変化していることに、金原さんの前書きを読んで今更ながら気づく。

 

小説の定義自体は曖昧でそれは時代によって変わるのだろうが、金原さんが「ぜひとも言語の冒険を」と私小説の執筆を依頼した作家による短編が9作収められている。読んだことがなかったのが、尾崎世界観さん、エリイさん、しいきともみさんの3人だ。この機会に読めて良かった。

 

瀬準子さんの『卵』卵子凍結をする話なのだが、その手術自体の過程がリアルというよりも主人公の想いが迫真に迫っている感じがする。子どもが「ほしい」と「ほしくない」気持ちの狭間で、卵子凍結という医療による解決、というか一時的に保留しているような考えが現代女性の考え方だなと思った。

 

田雅彦さんの私小説、死小説』は、作家になってから40年もの期間が経過したことにより、時間の感覚から「死」と「私」をめぐる思索を語る作品だ。途中から古井由吉さんへの追悼文のようになっていく。寝ている時に見る夢は時間軸や物理法則から解き放たれており、現在も過去も未来も並列している、自由自在に死者とも交われるという考えが腑に落ちた。個人的にはこの作品が一番気に入った。

 

葉雅也さんの『「私小説」論、あるいは、私の小説論』は、さすが哲学者ならではの論理で考証されていた。

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