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『フェアリー・テイル』スティーヴン・キング|コロナ禍に巨匠が作った大人のためのファンタジー

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『フェアリー・テイル』上下 スティーヴン・キング 白石朗/訳

文藝春秋 2025.06.05読了

 

ェアリーテイル、つまり「おとぎばなし」と名付けられたこの小説。あのキングが「おとぎばなし」というタイトルをつけるなんて、真っ向からファンタジーじゃないの。まぁキングはファンタジー要素がある作品も多くお得意の分野。そしてこの小説はハッピーエンドになると断言されているから、特に恐怖やドキドキはなくゆったりとした気持ちで読書に入り込めた(キング作品としては珍しく)。

 

ロナ禍で引きこもっている時にこんな大作を書いていたとは。世界を混沌の渦に巻き込んだコロナウイルスだったけど「いつか必ず晴れる日が来る」「この先に光あれ」と思ってこの希望ある作品を書き続けたのだろう。小作家の使命を全うして。おこもりしている間、みんな何してた?多くの人がリモートワークに甘んじてこれ幸いにとばかりにぬくぬくと何も考えず生活していたんじゃないか?そういう時に何をするかというのが人間が違うということなんよなぁ。まさにキングは考えていた、動いていた。

 

人公チャーリー・リードは、幼い頃に事故で母親を亡くした17歳の少年である。ある日、近所の「サイコハウス」と呼ばれる家で飼われている老犬の鳴き声がしたので近づいてみると、飼い主である偏屈(と噂されている)な老人ミスター・ボウディッチが倒れていた。彼を助けたことから、2人と1匹の交友が始まる。  

 

人公が少年であるから語り口も易しくストーリーもすこぶるわかりやすい。キングの長編の中では一番読みやすいのではないだろうか。といってもこのリチャードはもう17歳、身長も190㎝ほどあるみたいで見た目は大人に近いけれど。

 

ャーリーがおとぎの異世界(本のジャケットのイラストのような)に入るまでには長い長い前段があって、これが上巻の半分くらいまで続くのだが、この辺が私としては一番おもしろかった。キングお得意の綿密な人物像描写がたまらない。おそらく「このあと何が待ち受けるんだろう」みたいなワクワクがあるから、その期待感やドキドキも含めて楽しいのだろう。

 

世界では、思うように言いたい言葉というか言い回しが出てこない。しかし自然と口から発せられる言葉もある。いったいどんな世界なんだろう。こんな場所に1人(と1匹)で立ち向かう勇気。そしてリチャードには「好奇心」があった。それも有り余るほどの。予想通り敵がわんさかいて闘いがあり仲間ができたりというお馴染みの展開が続く。怒涛のストーリーテリングであっという間にエンディング。

 

『ジャックと豆の木』や『不思議な国のアリス』をはじめとして、お馴染みの大作(そして大好きな)『はてしない物語』など子供の頃読んだ物語がたくさん登場する。そしてクトゥルー神話ラヴクラフトも。きっとこれは子供が読むファンタジーではなく、ひと通り読み終えた大人のためのファンタジーなのだ。いくらチャーリーの語りが易しくても。

 

待通りというか予想通りレベルでおもしろかった。しかし個人的には『IT』や『11/22/63』ほどの圧倒的なものは感じなかったかな。ハッピーエンドにはハッピーエンドの良さが、バッドエンドにはバッドエンドの良さがあるが、やはりどちらなのかがわからないほうが良いかなと思う。それでもキングの、明示してるのにも関わらず読ませる技量にはやはり感服する。

 

自体の値段のことについては、思うところはたくさんあるけれど、、、でも文庫になったとしてもこのボリュームじゃ4巻くらいになるだろうし総額としてはそこまで変わらない気がした。それよりも巨匠渾身の大作を早く読みたい気持ちが勝った。しかし持ち運ぶのにちょっと苦労したなー。四六判ならまだしも、大判のA5判はねぇ。読み終えたこと自体にも満足感がある。

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