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『狐花 葉不見冥府路行』京極夏彦|艶やかで面妖な世界へようこそ

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『狐花   葉不見冥府路行(はもみずにあのよのみちゆき)』京極夏彦

KADOKAWA角川ホラー文庫] 2025.05.31読了

 

年末に、歌舞伎好きの友人から「京極夏彦さんの本は好き?」と聞かれた。私が読書好きなのを知っているから何か本の話をするのかなと思ったら、どうやら京極さんとコラボした歌舞伎をやるらしく一緒に鑑賞しないか誘ってくれたのだ。スケジュールが合わずに結局行けなかったのだが、小説は読んでみようかなと思い手にする。単行本が2024年7月に刊行されているのに、12月にもう文庫化って早すぎないか!?って思ったけど。

 

岸花の模様がある着物を着た世にも美しい顔をした男性が屋敷中に度々現れる。今は亡き萩之介の容姿をしている。ということははては幽霊であろうか…。

 

き物落としをする主人公の中禅寺洲齋(じゅうさい)が、巷説百物語シリーズの完結巻に出てくると知っても、読んでないからピンと来なかった。でも京極さんの作品はどこかで何かしら繋がってるしなぁ。そもそも州齋は百鬼夜行シリーズ・中禅寺秋彦の曾祖父だ。

 

極さんの極意ともいえる蘊蓄やまわりくどさ(もちろん良い意味で)がほとんどなくて、拍子抜けするほどあっさり読める。それもそのはず、これは原作というわけではなく、歌舞伎を元にしてノベライズした作品だから。

 

極さんの作品を映像にすることは難しくて(堤真一さん主演の『姑獲鳥の夏』は確かに、うーんだったしな…)、だから歌舞伎にするのもどうなんだろうなと思っていた。しかし原作がなく歌舞伎の脚本から始まったわけで納得。文体やらは表現できなくとも、妖艶な世界観を表したという意味では歌舞伎に合ってあるような気がする。艶やかな色合いが映えそう。おそらく歌舞伎を鑑賞してからこの本を読む方がより楽しめるのではなかろうか。

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