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『族長の秋』ガブリエル・ガルシア=マルケス|孤独な大統領は何を思う

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『族長の秋』ガブリエル・ガルシア=マルケス 鼓直/訳

新潮社[新潮文庫] 2025.05.06読了

 

しく細密なペルシア絨毯を思わせる重厚な装幀だ。昨年刊行された『百年の孤独』と対になっているかのよう。でも広告で使われていたハゲタカのイラストのほうが私は好きだったかも。

 

もしろく感じる場面は何箇所かあるものの、総じて難解だった。しかし読み進めるうちに抜け出せなくなる魔力があるのは確かだ。眩暈がしそうになるほど美しく詩的な文章。

 

裁政治をしていた大統領が自ら語る。または匿名の語り手がめまぐるしく変わり、時間軸も空間軸もバラバラである。6つの章にわかれているが、その始まりはほとんどがハゲタカによって食い散らかされた大統領の亡き骸が描かれている。最初から死んでいる大統領だが、そこから話は過去に遡り人生を辿ることになる。

 

統領は何もかもを手に入れているようだが、ある意味では孤独である。母親のベンディシオン・アルバラドも、唯一の妻であったレティシア・ナサレノも、腹心の部下もいなくなる。失い続ける果てに大統領が見たものとは何だったのだろう。

 

ルケスの作品を読むのは4作めであるが、1作たりとも理解できた気がしない。読み進める苦痛さはある程度想定内であるし、私自身そんな苦痛さをも楽しめるタイプなのだけれど慣れないなぁ。バルガス=リョサやロベルト・ボラーニョは物語性があるからまだ読みやすいと思う。とにかくもラテンアメリカ文学はやはり一筋縄ではいかない。これを楽しめるようになりたいものだ。

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