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『方舟』夕木春央|罪も恨みもない仲間を見殺しにできるのか

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『方舟』夕木春央

講談社講談社文庫] 2025.05.02読了

 

うやっと読めた!ソフトカバーの単行本が飛ぶように売れていて一時期はX(旧Twitter)ではこの本の話で持ちきりだった。文庫になっても勢い衰えず、奥付を見るともう第7刷になっている。

 

か1人を生贄にしなければ、この「方舟」から脱出することはできない。極限状態のなか、誰か1人が犠牲にならなければならない。それをどうやって決めるのか。そして、地下3階もあるこの巨大な施設は、一体誰が何のために作り、何がなされていたのか。

 

学時代の友人ら7人が興味本位で探してたどり着いた地下組織。そこに、きのこ狩りをしていたら迷い込んでしまった矢崎家族の3人が加わる。閉じ込められた空間で殺人事件が起こる。

 

んなにも凄惨な殺され方をした人を見て、動揺もほとんどせずに犯人を探すような行動が取れるものなのか?しかも死んだのは友人だ。通常ではあり得ないような薄っぺらいような言動が、小説だとわかっていても違和感が拭えなかった。

 

れでも最後まで読み進めたのは、やはり結末が気になったから。本格ミステリー界に新風を吹き込んだなんて言われたら、それを知りたくなるのも当然。最後の最後までそれは明かされないのだけれど、さすがに読み終えた時は唸った。「何かまだあるはず」と疑念を持ちながら読んでいたが、さすがにこのようなラストになるとは誰も考えつかないはず。もちろん後味はこの上なく悪いのだけれど、人間って皆んなこういうものかもしれないと妙に冷静になった自分もいる。

 

んでいてあまりにも現実感がなく信じがたい思いに囚われたのは「罪も恨みもない仲間をこうして見殺しにできるものなのか」という疑問からだと思う。しかし人間とは極限になったらこうなってしまうのかもしれないとも思う。解説の有栖川有栖さんが言うには、この作品で登場人物を個性たっぷりに描かないのは、意図されたもの、面白さが別の方向に延びてしまうからとのこと。なるほど、読んでいて薄っぺらに感じてしまうことすらも作者の思惑だったのか…。




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