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『遠慮深いうたた寝』小川洋子|文章を光らせたのは作家ではなくあなた自身

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『遠慮深いうたた寝小川洋子

河出書房新社河出文庫] 2025.04.02読了

 

イトルの「遠慮深い」をてっきり「思慮深い」だと勘違いしていた。全く異なる意味なのに、漢字が似ているだけで思い込みがひどい…。確かにうたた寝に「思慮深い」なんてないよな、と思いながらも、思慮深いあまり遠慮深くなり、ぼうっとしてついにはうたた寝をしてしまったのでは…と無謀な解釈をしている自分がいる。

 

の半分ほどを占める『遠慮深いうたた寝』とタイトルがつけられた章は、わずか2〜3頁の短めのエッセイがたくさん載せられている。これは2012年から2021年まで神戸新聞に連載された中から選りすぐったものが収められている。残りの半分は新聞や文芸誌などに掲載された、こちらもまたエッセイである。分量はバラバラ。

 

くことを中心にして世界が回っており、目にする耳にする感じるものが全て小説の材料になる。小川さんは阪神タイガースとミュージカルが大好きだそうで、推し活みたいなこともやんわり行なっている。多くの作品や小説家の名前が登場するから、選書の道標にもなった。エリザベス・マクラッケン著『ジャイアンツ・ハウス』が気になる。小川さんの新人賞受賞後の二次会で声を掛けられた、干刈(ひかり)あがたさんという方の作品も読んでみたいと思った。

 

高生を対象とした読者会で、ある中学一年生が『博士の愛した数式』の一節を朗読し、「この文章が僕には光って見えました。どうしてでしょうか」と質問した。その時中学生に返した答えは書かれていないが、帰りの電車の中で小川さんは「文章を光らせたのは作家ではない、あなた自身ですよ」と胸の中で繰り返したという。なぜだかここを読んで泣きそうになった。自分は小川さんでも中学生でもないのに。

 

頭で「遠慮」だとか「思慮」だとかだらだらと述べたが、読み終えてみると、小川さんの思慮深さと控えめな遠慮深さの両方が感じられた。小川さんのつつましやかな佇まいと優しい文章が、作品が長く愛されている所以なのではないかなと思う。

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