以下の内容はhttps://honzaru.hatenablog.com/entry/2025/03/24/074551より取得しました。


『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史』R・F・クァン|言語、語源、翻訳に興味がある人は是非

f:id:honzaru:20250306232824j:image

『バベル  オックスフォード翻訳家革命秘史』上下 R・F・クァン 古沢嘉道/訳

早川書房 2025.03.15読了

 

から子どもの頃に戻れるのならば、、、私は翻訳家もしくは教師になる夢に向かって学びたい。さすがに今からは現実的に難しい。いくら「何ごともいつから始めても遅くはない」という前提があるにせよ。「ロビンは、言語が心に永久に刻印を打つ年齢だった(上巻48頁)」とあるように、語学だけではなく小さい頃でないと吸収できないものがある。できなくはないが相当の努力と時間がかかる。子どもの頃は歌詞なんて簡単に覚えられたのに、今はそうはいかない。

 

ているものも出てくるが実際のオックスフォードとは異なっているおりこれは完全なるフィクションである、と物語に入る前に著者からしっかりめの注意がある。まぁ、オックスフォードを卒業している人がどれだけいるのかって話だけど、これを手に取るオックスフォード出身者は確かに高確率かも。高校生の時英語の教師から「英英辞典」の購入を勧められ(なんでも英語で書かれた辞書は素晴らしく英語の勉強になるとかで)、オックスフォード英英辞典を買ったのは覚えている。ほぼ真っさらな状態で終わった気がするけど…。

 

病に町も家族も奪われた中国人少年は、謎の西洋人にイギリス・ロンドンへと連れていかれる。この西洋人は後見人となるディック教授であった。少年は名前をロビン・スウィフトに決める。スウィフトというのは『ガリバー旅行記』を書いたジョナサン・スウィフトから取っている。

honzaru.hatenablog.com

ヴェル教授は「オックスフォードは文明世界におけるあらゆる知識と改革の中心地」だと言う。ここに入学することができたロビンは素晴らしい仲間たちと出会い、オックスフォードの王立翻訳研究所「バベル」で学ぶことになる。翻訳行為により魔法を発揮する「銀」を操れるのか。

 

語の重要な要素となるある組織との絡みよりも、個人的には語源をたどる蘊蓄などが興味深かった。そんなわけで私としては上巻のほうが楽しめたかな。途中からはサスペンスになり頁を捲る手が止まらんかった。信じている世界が、友人が、逆転するときの絶望感とそこから這い上がる希望の光。

 

間により、友人らの生い立ちが挿入されている。これがとても効果的で、作品全体を引き締めているように思う。なんというか、この小説はこういう構成(というよりもはや仕掛け)がおそろしくカッコいいのである。

 

はSFは得意ではないけれど、内容としては興味をそそられる翻訳について書かれた物語。上下巻の単行本だし買うかどうかはかなり迷った(早川書房の『フォース・ウィング』は私にはあまり合わなかったし…)けど、立ち寄った書店で上巻が売り切れていたりとかもあって思い切って手に入れた。結果読んで良かった。言語、語源、翻訳に興味がある人にとっては、またとない冒険ファンタジーに胸躍らせることができるだろう。

 

リー・ポッターの世界観でもある(なんせ映画の撮影はオックスフォードだしね)けど、読んでいる時の雰囲気はジョン・コナリー著『失われたものたちの本』に近いと思う。オックスフォードにいつか行ってみたい!そして語学の勉強をしたいと心から思った。職業にするには手遅れだけど、自分を成長させるという意味では、何をするにも遅すぎることはないのだ。

honzaru.hatenablog.com




以上の内容はhttps://honzaru.hatenablog.com/entry/2025/03/24/074551より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14