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『君のためなら千回でも』カーレド・ホッセイニ|苦しむのは良心があるから

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君のためなら千回でも』上下 カーレド・ホッセイニ 佐藤耕士/訳

KADOKAWA[角川文庫] 2025.02.26読了

 

店に並んでいるのを見た時、目を疑った。タイトルが同じ本が出てるのかなと勘違いしてしまった。でもよく見るとホッセイニの著者名が!この作品はずっと読みたくて復刊しないかと待ち侘びていた。てっきりハヤカワepi文庫だろうと思っていたのに、まさか角川文庫だったのがかなりの驚き。いやでもでも、なんでもいいから嬉しい限り。カーレド・ホッセイニ氏の作品は『千の輝く太陽』を読んでどっぷり感動の嵐に巻き込まれていた。

 

ッサンはどうして自分と一つしか違わないアミールにこんなにも忠誠心があるのだろう?2人は生まれたときから一緒で、同じ乳房から乳を飲んで育った。言わなくてもわかりあえる兄弟のような関係だった。しかしアミールはカブールの裕福な家の生まれであるのに対してハッサンはハザラ人、アミールの召使いだ。そしてハッサンには生まれつき口唇裂がある。

 

ミールは過去にハッサンを裏切ってしまった。まるでヘルマン・ヘッセ著『デミアン』のような語り口調で贖罪の物語が続く。痛ましい、悲しい、どうしてこんなことになってしまったのか。運命を呪いたくなる。アフガニスタンが平和だった時代から、クーデター、ソ連による侵攻、タリバン政権など歴史をたどりながら読むことができる。

 

ヒム・ハーンからアミールへの手紙に書かれていた言葉に救われる思いになった。

このことだけは心に留めておいてくれ。良心を持たない者、やさしい心を持たない者は、苦しんだりしないものだ。(下巻154頁)

 

たちが贖罪の物語に惹かれてしまうのはどうしてだろう。自分にも何らかの後悔や罪があり、それを肯定したいからであろうか。人は誰しも反省しっぱなしの人生なのだ。失ったものはもう戻せない。それでも生きていかなくてはならない。背負うものを携えて。

 

イトルだけ見たら恋愛小説かと思うかもしれない。帯にはエンタメ小説とあるけれど、私にはそうは思えない。エンタメとくくってしまうとどうしても軽くなる。これは、人間の尊厳にまつわる普遍的な物語。とはいえ『千の輝く太陽』を読んだ時ほどの感動は生まれなかった。めちゃくちゃ名作であることは揺るぎない事実なのに、私はちょっとやそっとでは感動しなくなってしまっているのだろうか。変な耐性ができてしまったものだ。

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