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『冬の光』篠田節子|家族以外のソウルメイト

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『冬の光』篠田節子

文藝春秋[文春文庫] 2025.02.14読了

 

国遍路を終えた帰路、海に身投げをした康宏。残された妻と2人の娘は、生前の康宏の裏切りのせいで憎しみの気持ちがあるため、悲しみや喪失感はほとんどない。淡々と事後処理をこなす次女の碧(みどり)は、父がたどった遍路を自分の足で歩いてみることにした。

 

自身が女性であることもあって、残された家族の気持ちに身が入ってしまっていた。40年以上もの間不倫を続けた康宏の気持ちには到底寄り添えない。しかし康宏のパートをじっくり読んでいると、そんなに簡単なものではなかった。

 

去に読んだ小池真理子さんの『沈黙のひと』で、施設に入っていた父親が亡くなり遺品整理をする娘がアダルトビデオやらそういうものをたくさん見つけて戸惑った、みたいな出だしを思い出した。その本でも確か父親は不倫をしていて、みたいな内容だったと思うが、生きている頃にイメージしていた親と、実際の親は本当は違っていたんだという内と外は違うという意味では結構重なるものがある。

 

宏と紘子の関係は、愛人を超えた魂の結びつきがあるように思う。家族がいるからといって、他にそういうソウルメイトの存在があることは悪いことではない。そんな存在がいるということはむしろ良いことなんじゃないか。多くのものを家族に求めすぎていて、どんな役割も家族が担うことが当たり前になってしまっているが、本質はそうではないんだと思う。

 

年はまだ小説以外を読んでないからそろそろ他のものを、、と思いつつもやっぱりこうして小説を選んでしまった。実はこの本は随分前に購入していたのだけれど、読む前に誰かに貸したか間違って処分してしまったかで行方不明になっていた。篠田さんの作品の中で隠れた名作と言われているだけに心の片隅で気になっていた。だから先日書店で平積みになっているのを見かけて購入し、ようやく読めてちょっと肩の荷が下りた気がする。今までに読んだ篠田さんの作品(半分くらいしか読んでないと思うが)では上位に入るかも。『鏡の背面』も良かった。

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