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『鍵のかかった部屋』ポール・オースター|誰かを探すのと同時に自分を見つめ直す

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鍵のかかった部屋ポール・オースター 柴田元幸/訳

白水社白水Uブックス] 2024.12.02読了

 

いに刊行されたオースター最大の長編小説『4321』だが、もうしばらく部屋に寝かせておくことにする。先日、柴田元幸さんのトークイベントに参加して色々なお話を聞けたから読む前から楽しみで仕方なく、その期待も裏切らないだろうと確信している。ただ、まだオースターの作品で未読(邦訳されていて手に入るもののなかで)の作品が2〜3冊あるので、先に読んでおこうかと。

 

ューヨーク三部作と呼ばれる作品群の中で一番最後の小説である。訳者は柴田元幸さん。新潮社から出てるのがほとんどなのに、何故かこの本だけは白水社から刊行されている。

 

踪した親友ファンショーのことを探しながら自己の内面を見つめ倒す物語。先日読んだ『リヴァイアサン』で主人公がベンジャミン・サックスを探すような、いや待てよ、オースターといえば主人公が不在の人物をめぐる依頼を引き受けるパターンはお馴染みではないか。オースターの作品の中ではおとなしめだが、らしさは爆発しているように思う。

 

んな本だか簡単に説明してくれないか?と編集者のスチュアートに言われたとき、君が自分で発見したほうがいいと思う、と僕は答えた。オースターの作品には本の読み方というか読者との関わり合い方みたいなものがしょっちゅう出てきて、それがまた的を得ている。

僕はただ、彼に何かを押しつけるようなことはしたくなかったのだ。それは原稿自体がやってくれればいい。素手でその世界に入ってゆく喜び、地図も磁石も案内人もなしに迷い込んでゆく快感を、わざわざ彼から奪うことはないと思ったのである。(62頁)

 

ースターは常に書くことと読むことを生きるよすがとしているのだ。そうそう、柴田さんがイベントで話していた、オースターのローレルとハーディの偏愛がうかがえるような記述が作中にあったのを発見して嬉しかった。

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