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『友達の妹が俺にだけウザい』雑多な感想

 たがいに正体を隠しているメンバーを主人公が中心となってゲーム制作させる、三河ごーすとのライトノベルをTVアニメ化。NUMAnimation枠で2025年10月から放送された。

  • Happinet

 GA文庫のTVアニメ化といえば、初回だけ異常にバズってネットミームやジャンルの典型例として定着するが、その後は悪くはないがなんとなく埋没していく印象がある。そういう印象のなかでは映像のクオリティもそんなに高くなくて凡庸な立ち上がり。ネットミームやバズッた要素をコラージュしたOPはそこそこ楽しいが、現代はそれだけではネットで注目をあびられるわけではない。


 しかし本編のキャラ作画が不安定なのに*1、たびたび挿入される少し頭身が低く描線を太めにしたボケツッコミ専用のキャラ作画は不思議と安定して良い。現行のTVアニメは原作の挿絵ともコミカライズとも絵柄が異なっているのだし、せっかくならこのボケツッコミ用のキャラ作画でTVアニメ化したほうが良かったのではないだろうか。無理して原作の絵柄を再現しようとして魅力を出せないより、TVアニメのスタッフが魅力を出しやすい方向で映像化したほうがメディアミックスの価値があると思うのだが。
 また、トマトジュースの混ざった表面や、風呂場の波や飛沫など、各話のエフェクト作画が異様に良いところも目を引く。ED映像で小澤和則が担当している花火*2と似ていることから、OPでクレジットされているビジュアルディレクターとしてエフェクト作画全般に手を入れているのかもしれない。
 各話では二村秀樹コンテの第8話は、頭で考えたような異常な演劇が、ちゃんとツッコミを入れたくなる異常な演劇と感じられたのが良かった。深夜に眠気を感じながら見たためかもしれないが、カット割りや構図が良かったのか、素直に笑えた。


 原作は未読だが、アニメ単体で見ると話の途中で終わった感が強い。主人公を中心としたゲーム制作が物語の基盤なのに主軸ではない理由がよくわからなかったが、そもそも新作ゲームを完成させないまま終わった。ゲーム制作は人間関係を作るための設定でしかなかった。
 ゲーム制作の代わりに物語を閉じる要素として、主人公の背後に隠れていた友人の妹が終盤になって人前で活躍することになり、隠していたことが兄に知られて最終回をむかえる。しかし、その活躍の舞台となる演劇は逆に、とってつけたように終盤で出てきた。
 演劇をめぐる課題を、もっと物語の最初から提示しておけば、同じ結末でも1クールかけた連続ストーリーとして楽しめたのではないだろうか。演劇はゲーム制作のメンバーをとおしてゲーム制作の障害となって主人公にかかわってくるのだから、そのメンバーの悩みとして初回から何度も印象づければ1クールアニメとしてのまとまりが生まれたはずだ。それに友人の妹が「ウザい」ことは演技と関係しているし、ゲーム制作でも演じる立場なのだから、同じように序盤から他者を騙すように演技する自分に悩ませれば、作品のテーマにもとづく最終回と感じられたと思う。

*1:もっとも十年前のTVアニメに比べれば充分に安定しているとも思うが。ただ大人のキャラクターデザインはあまりうまくない感じはした。

*2:作画などではなく、ただ「花火」とだけクレジットされている。撮影なども担当したということだろうか?




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