2020年に放映されたTVアニメ3期にして完結編。監督やキャラクターデザイン、制作会社などは2期からのスタッフが継続。
OPがデジタル撮影らしい平面的な密着マルチになっているところや、全体的にキャラクターが面長で立体感が減っているあたり、良くも悪くもアニメ映像のトレンド変化にあわせている。正直なところ、ちょっとスタイルは古くても1期の方向性の絵柄が好みではあった。
物語は卒業にむけたプロムイベントの開催と、ヒロインがイベントを成功に導くまでを主人公が紆余曲折して支援する展開で、完結編らしい連続ストーリーにしたてている。
プロム実現に向けた主人公の策略について、それつながる二択の前振りを複数回しっかり描写しているおかげで、冷静に考えると説得力に欠けていても、物語を支えるだけの説得力はある。策略の必要性を作り出したヒロイン母に見透かされつつ成功するバランスもある。そんな主人公の当て馬企画を、本命企画をすでに成功させた後なのに、わざわざ実行する展開も意地を描いたドラマとして楽しかった。そこまでやってプロムの情景そのものはプロモーション撮影でほとんど終わらせて、本番は準備や裏方の主人公視点を少し描くだけという肩透かし感もこの作品らしくていい。最終的に当て馬でしかない主人公の企画も開始するので、そちらで本気のプロム描写をするのかと思いきや、それもなくてほとんど準備段階で作品が終わる。ビューティフルドリーマー。
アニメーションとしては、基本的に会話劇で進行する作品において、会話以外のダンスで魅力を作ったプロム練習回よりも、会話そのものをアニメとして楽しくした第7話が良かった。ちゃんとラップバトルっぽくできているし、手の芝居も音ハメが心地いい。