自主制作映画を上映したが思ったような反応が返らず、学校デビューに失敗した少女ケイティ。家に閉じこもって、恐竜好きの弟をスタッフに、豚や芋虫のような外見のペット犬を俳優にして、映画を作りつづけ、ついに映画学校に入学できることになった。
インターネットごしだが、初めて話が通じるクラスメイトもできたケイティ。期待に胸をふくらませて学校へ行く飛行機に乗ろうとしたした朝、父リックが止める。リックは、家族全員で自動車で学校に向かうことを勝手に決めていた……
3DCG中心にさまざまな素材を組みあわせた、2021年の米国映画。後に『スパイダーバース』*1が絶賛されるソニーピクチャーズ作品で、そちらで共同脚本を手がけるフィル・ロードがこちらでは製作に入っている。
内容はよくあるロボットの反乱ネタをつかって、ピクサー作品のような家族回復ストーリーを展開していく。新世代ロボットを反乱させるのが旧世代として捨てられたスマートフォン内臓AIなところや、主人公たちもスマートフォンを活用するところは現代的か。CEOに捨てられて女王になろうとするAIはちょっとヤンデレが反転したような面白味があった。主人公一家の父親はあまりにも家族の意思をないがしろにしすぎているが、娘の夢を否定する父もまた米国男性流の夢には破れていたと明かす回想で許された雰囲気にしている……が、結果的に主人公一家をヒーローにさせたとはいえ勝手な移動経路の変更と強制的な同行はやはりきちんと謝罪しておくべきでは?とは思った。
とはいえ物語そのものは定番を押さえて充分に楽しい。中盤のショッピングモール行きなど、登場人物が言及するように『ドーン・オブ・ザ・デッド』から始まる定番展開だし、他にも古臭く安っぽく小さな恐竜テーマパークにいるところを襲われる序盤など、古典的なジャンル映画を真似つつ刺激や変化を足したような描写がつづいて意外性は少ないが飽きさせない。あえて物語の新鮮味を少なくすることで、主人公の夢想が2Dアニメとして3DCGに重ねられたり、実写素材を大量にとりこんだりする映像のインパクトをきわだたせようとしているのだろう。なるほどこの手法が『スパイダーバース』につながったわけか。
映像は隙らしい隙はないが、うまく省力しているところも多い。世界各地の襲撃はランドマークの一場面だけですませ、群衆をロボットがつかまえてはカプセルに入れて空へ飛ばしたりして、よく見ると多くの画面に主人公一家かモデリングを使いまわせるロボットしか出ていない。