いなばちあき演出。尾田栄一郎の妻をひらがな表記した偽名だが、正体が今千秋だとすれば、単なるもじりペンネームか。
主人公の親友が初変身。クライマックスで変身する流れが充分にできているところ、ダメ押しのように主人公と親友の過去を回想していたが、逆に流れを殺してテンポを悪くしていた感があった。回想の描写そのものは悪くなかったが、短い尺でテンポ良く処理するか、もっと前倒しで回想するべきだったかも。
あと、プリキュアが戦う絶対悪ジコチューについて。自由や個性を否定しかねないと放送前に懸念していたが、そもそもジコチューと敵組織の関係を私が読み違えていたことが明らかになった。
今回は、道行くカップルをうらやんだ若い男からジコチューが生まれたわけだが、その場で嫉妬心を自制した上に、その嫉妬心がモテない原因だろうと自省の台詞まで吐く。人々の悪意から敵が生まれる物語において、ここまで人々が悪意を自覚し抑制していることは珍しい。私をふくめた視聴者はもちろん、下手な正義の味方よりも善良に感じるくらいだ。
つまるところ、ジコチューが問題になるのは、あくまで敵組織が悪意を抽出して肥大化させたためだ。ちょっとした悪意を内心にかかえた個人へ批判の矛先が向かわないよう、慎重に描かれている。何が悪いことなのかを幼い視聴者に考えさせつつ、悪意を持っただけでは自己否定しなくてもいいと教えているわけだ。
物語の構成としても、今のところはプリキュア周囲のドラマを描かなければならないので、悪意を利用されただけなら被害者のドラマで時間をとられずにすむ。逆にいえば、ゲストキャラクターのドラマを描ける余裕ができると、自省しない悪意から生まれた強力なジコチューと戦う展開になるかもしれない。