暇空茜こと暇な空白氏のColaboへの名誉棄損が確定したしたことを受けて、はてなブックマークで同調者が多かった時期を、はてな匿名ダイアリーでほりおこされていた。
Colabo叩きしてた増田、ブコメを総括すべきでは?
すでに対Colaboに限れば暇な空白氏は20以上も全敗しているためか、はてなブックマークではさすがに過去を正当化する反応は少ないが、いくつか抵抗するコメントもある。
はてなスターを集めて注目コメントの最上位に入っているid:by-king氏らは、監査請求そのものが法的嫌がらせだというColabo側の主張が認められたことすら読めていない。
by-king 別に監査請求することは悪い事ではないし、それの他にアウトな行動をしたからそれで罰せられた、って話なだけでしょ
嫌がらせにもちいられたことを無視して監査請求の正当性を主張するコメントは、id:saihateaxis氏らのように他にもいくつかある。
saihateaxis 総括か。監査請求そのものに、善悪はない。実際不当と認められてる 暇空茜の誹謗中傷に関しては肯定してませんし敗訴は当然と思ってます
Capricornus 私は毎度のこと"誹謗中傷は被害者に訴えられて裁かれても当然"と言う事は言わせて頂いてる。それと住民監査請求は別の話と言うのはそんなにも難しい話かな?/ 書いたよ。
興味深いのは、はてな匿名ダイアリー内に書かれたid:Capricornus氏の実際の返信を見ると、Colaboの主張通り一般的な会計ミスくらいしか見つからなかった住民監査請求そのものの話はせず、誹謗中傷を矮小化していること。
民事裁判は事実か否かではなく、どちらの言い分が正しいかが争われる
そもそもなんでこの判決に至ったか、システムをちゃんと理解しよう。
民事裁判では捜査があって確実な物的証拠があっての真実や事実を争うわけではないので、真実相当性と言う言葉が使われる。例えば“嫌がらせ”なんて証拠を提示しようがない曖昧なお気持ちが認められるのもそのため。
キモは暇空茜が真実相当性について主張する場に出席しなかった事。
裁判に暇空がちゃんと出席してたらどう変わってたかは知らんけども、この結果は事実かどうかとかよりColaboの『暇空茜が住民監査請求を行ったのは嫌がらせであったことが事実です』と言う言い分が通っただけ。
だから、この判決に無関係な人間は無関係なのよ。
なぜこのような誤認を堂々と主張しているのかがわからない。
たしかに司法の専門用語は一般社会と違うニュアンスをもつことは多い。しかし少しでも裁判についての報道を見れば、このような誤解をするはずがない。
まず名誉棄損裁判でも、客観性が必要な主張か主観性が明らかな主張かは区別される。
主張が「事実の適示」と判断されれば、いわゆる「お気持ち」ではない、客観的に正否が判断できる主張とされる。その正否を裁判で争うことになる。
そこで主張が正しいと判断されれば、「真実性」が認められ、名誉棄損ではないと判断される。Colaboを批判する正当性を確保するためには、これが認められなければならなかった。
ところが裁判で主張が客観的に正しいとは判断されなくても、その主張をおこなった時点で客観的に正しいと自認してもしかたないくらい根拠をあつめていれば、やはり名誉棄損ではないと判断される。それが「真実相当性」だ。
判例から学ぶ名誉毀損・真実性・相当性の完全ガイド|弁護士大熊裕司のブログ(著作権法・誹謗中傷対策)
公表した事実が真実であるとまでは証明できなくても、発言当時に合理的な裏付け取材を尽くし「真実だと信じるに足りる相当な理由」があった場合、行為の違法性自体は残りますが 故意または過失が否定されるため責任が阻却されます。民事では不法行為責任を負わず、刑事でも故意を欠くため処罰を免れるという位置づけです。
つまり「真実相当性」が認められて勝訴をしても、真実ではないと判断されれば、以降は同じ理由でColaboを批判する正当性は失われる。このように「真実相当性」が認められただけの場合は、むしろ暇な空白氏だけでなく無関係な人にとっても同じ批判はできなくなるわけだ*1。
認められたとしても主張の正当性を確保できない「真実相当性」を、なぜCapricornus氏がもちだすのかがよくわからない。
もちろん名誉棄損裁判には公益性など、他の要素も争われる。
たとえば罵倒をおこない感情を傷つけたかどうかを争う時は、罵倒された側がより強く罵倒していれば甘受するべきと判断されたりする。それで暇な空白氏が負けた場合は、真実かどうかではなく表現の汚さが問題になったと考えてもいいだろう。
しかし弁護人の神原元氏へ暇な空白氏がしかけた裁判などで、逆にColaboを攻撃する多数の主張に真実性がないことが認定されている。引用した判決を読めば、真実性も争われていることが確認できる。
暇な空白氏の活動を弁護士の神原元氏が記者会見で「リーガルハラスメント」などと論評したことに対しても、裁判所が真実性を認めたばかりだよ - 法華狼の日記
ざっと判決を読んでも、神原氏の主張の正当性がほとんど認められている。暇空茜こと暇な空白氏*1の攻撃と単純に相殺しただけとか、ただの論評だから許容されただけとか、そういう判決ではないのだ*2。
http://www.mklo.org/mklo/wp-content/uploads/2024/09/23741de4521936ade9ab8721273192fd.pdf
「暇空茜」の請求を東京地裁棄却 Colabo仁藤夢乃代表への差別意識を認定 | 週刊金曜日オンライン

念のため、暇な空白氏の主張自体は弁護士をとおして裁判に提出され、検討されている。暇な空白氏が出席することで判決が変わる可能性はあったかもしれないが、判決を見るかぎり釈明の余地がないではないくらいの可能性だろう。
ちなみに2024年10月にCapricornus氏が暇な空白氏の監査請求を当然の権利と主張した時、形式的にはColabo側の記者会見も当然の権利と私が指摘したことがある。
形式的に「当たり前の権利は保障されるべきとして暇空茜を支持する」というなら、「当たり前の権利は保障されるべきとして仁藤夢乃を支持する」ともいえるよね - 法華狼の日記
あくまでCapricornus氏の意見をできるだけくんだだけで、タイトルだけでも留保しているし、それぞれを実際に支持できるかどうかは本文で検討している。
するとid:kotobuki_84氏が、「ズレてる」とはてなブックマークでコメントしてきた。下記の反論によると、ハラスメントは当然の権利ではない以上、ふたつの立場は両立しない、という意味だったという*2。
法華狼さんへの反論①
もしCapricornus氏側が正しいのであれば、仁藤夢乃の側のハラスメント呼ばわりが一転して『他者の当たり前の権利を否定するハラスメント』として立ち上がって来る。つまりこれは「いったいどちら側が人権侵害をやっているのか」という対立だ。
タイトル見て、いや全然そんな、どっちもどっちで両立しまっせみたいな話じゃ無かったよね? この人こういう党派性ありきでアクセル踏む読解力ゼロのインターネットぶつかりおじさんみたいな所あるよなあ~。という気持ちで以下のブコメを付けました。
はてなブックマークを見ると、kotobuki_84氏の「反論」は比較的に支持されている。Capricornus氏も下記のようにコメントして、そのコメントにkotobuki_84氏がはてなスターをつけていた。
Capricornus 私も一時期法華さんととことん話たけど、持論ありきで話が通じないからそこで消耗しない方が幸せかな。でも、自分で自分の意見を表明しておくのは良いと思う。法華さんに通じずとも。
法的嫌がらせというColabo側の主張が名誉棄損ではないと確定した以上、kotobuki_84氏はもちろんのこと、反論に同調したCapricornus氏らも暇な空白氏の監査請求が当然の権利ではなかったと認めなくてはなるまい*3。
ところがColabo側の主張が不当ではないと裁判所が認めてなおCapricornus氏は監査請求を当然の権利だと主張しつづけている。Colaboの主張が不当ではないと認められた現在、「どっちもどっちで両立しまっせ」という話をしているのは、私ではなくCapricornus氏というわけだ。