モノクロ映像が緊迫感を増す
アメリカ、ルイス・マイルストン監督 135分
第一次世界大戦下のドイツ、ある町の学校、そこの教室では老教師が生徒達に愛国主義を吹き込んでいる。進軍の雑音と教師の弁舌に若い生徒達の血潮は燃えて彼らは直ちに出征を志願する。
ポール、アルバート、ケムメリッヒ、ミュラー、ベーム、ピーター達がその中に数えられる。

そして苛酷な訓練の後若者等は戦場へ送り出される。戦線後部の輸送所おいてポール達は最初の戦慄を感じる。塹壕の中でベームは砲音によってヒステリーになる。ケムメリッヒもまた狂って飛び出したため脚部を打ち砕かれる。
ひとり、またひとりとクラスメイトたちが戦死していく。短いカットの繰り返しで物語はすすんでゆく。
ある日の戦闘でポールは砲弾穴へ落ちたが、同じ穴に飛び込んできたフランス兵をとっさに突き殺す羽目になる。そのフランス兵のポケットから彼の妻子の写真が落ち、ポールの胸は痛む。

ポールは行軍中に砲撃を受け負傷、病院へ送られる。やがて休暇をもらった彼は帰郷した。
母校では相変わらず老教師が戦争を讃え、愛国心を説いている。老教師は、ポールに生徒達に戦場での素晴らしい体験談を話して聞かせて欲しいと促す。まるで英雄でも見つめるかのように軍服姿の自分に羨望の眼差しを向けてくる生徒たち。ポールは戦場の悲惨さを語ろうとするが、実際の戦場も知らず、愛国心に興奮状態の生徒たちには伝わる筈も無く、ただ彼らを失望させるだけだった。
ポールはふと飛んできた蝶にそっと手を伸ばすが、身を乗り出したところを敵兵士に狙撃されて死亡する。
この作品は、100年ほど前の映画だが、戦争の非人間性や愚かさを極限までリアルに描き、映画史に残る反戦映画として高く評価されている。