一人の女性の波乱に富んだ生涯
フランス、クリスチャン・カリオン監督 91分
46歳の無口な運転手のシャルルは金も休みもなく、免停寸前だった。看護師の妻と共働きだが、生活は苦しい。
そんな時、92歳の女性マドレーヌをパリの反対側にある養護施設に送ることになる。彼女はシャルルに次々と寄り道を依頼する。寄り道するたびにマドレーヌの父親がナチスに殺されたことなど意外な過去が明らかになってゆく。

車中で語られる身の上話は壮絶そのものだった。若いころに恋し、子どもを身籠るも、恋人の米兵は故郷に帰ってしまったこと。その後、別の男性と結婚するが毎日暴力を振るわれ夫への過激な仕返しのために殺人未遂となり、25年の刑期をうけるが13年で出所する。
出所後、息子マチューと再会するが、青年になっていた息子はベトナムで報道写真家として亡くなる。マドレーヌの人生は波乱に富んでいた。

マドレーヌの寄り道はパリの街にサヨナラを告げるためだった。
タクシーの車窓からのぞくエッフェル塔、シャンゼリゼ通り、ノートルダム寺院、凱旋門、パルマンティエ大通り、洒落たビストロ、夜の街並みなど、パリの美しい風景が私たちを魅了する。
短い尺で展開がスピーディで退屈することはなかった。ミニロードムービーと言ってもいいだろう。