静かで重い映画
ルイジアナ州ニュー・オーリンズ。シスター・ヘレンは死刑囚、マシュー・ポンスレットから何度か手紙を受け取る。マシューは相棒と二人でカップルを惨殺し、州立刑務所に収監されていた。死刑囚と会うのは初めての経験だったが、ヘレンはマシューの求めに応じ刑務所を訪れ、彼と面会する。

傲慢で冷酷そうなマシューは印象こそ悪かったが、共犯者が終身刑なのに、印象が悪くて彼だけ死刑が確定したという事実に彼女は疑問を持つ。
しばらく後、マシューから死刑執行の日が決まったという焦りの電話を受ける。審問会や知事への直談判、上訴審もすべて却下される。

シスター、死刑囚、被害者の遺族、マシューの家族、それぞれの視点がとてもリアルで考えさせられた。犯行は残忍なもので死刑になっても仕方ない面もあるだろう。誰もが犯人を許す気にならないだろう。
処刑と交互に描かれる犯行の残酷なシーンを観ていると死刑廃止論的な映画とは思えなかった。そして「目には目を、歯には歯を」というが、決して死刑廃止、存続、どちらかに偏った作品ではなかった。
キリスト教の概念、聖書の言葉が多く出てくる、心の支えともなる信仰とは何か、も訴えている。とても宗教的な作品で、マシューが真実の愛を知ってゆく物語ともいえるだろう。
シスター・ヘレン役のスーザン・サランドンが主演。彼女はこの映画でアカデミー賞主演女優賞を、共演したマシュー役のショーン・ペンはベルリン映画祭で主演男優賞をそれぞれ獲得