異界を覗き見る怖さ
アメリカ、M・ナイト・シャマラン監督 107分
古い建築物の残るフィラデルフィア、優秀な小児精神科医マルコムはある夜、10年前に担当した患者ヴィンセントに「自分を救ってくれなかった」と言われ、自宅を襲撃される。
そしてヴィンセントはマルコムを銃撃した後に自ら命を絶つ。

1年後、夫婦仲は何となく冷え切っていた。そんな時、マルコムは8歳の少年コールのカウンセリングを担当することになった。心を通わせるようになったコールはマルコムに死者の姿が見えるという秘密を明かす。現世に未練をもった死者のおぞましい姿にホラー的な恐怖を感じる。
コールは言う「死者はそこら中にいるよ。死者は自分が死んだと思っていない」

コールの母親は息子の抱える問題が分からずに途方に暮れていた。しかしラスト近くの車の中での母親とコールの会話は心に沁みるものだった。
そして最後に明かされるどんでん返しの真実に呆然としてしまう。そしてマルコムはコール意外の人と会話をしていないということの意味がわかる。よそよそしい妻の態度も納得がいく。実はマルコムは死者だったのだ。コール以外、誰にも彼の姿は見えないのだ。
この作品はホラー映画の雰囲気はあるが、むしろヒューマンドラマと言っていいだろう。
切なくも温かい映画だった。コール少年役のハーレイ・ジョエル・オスメントの自然な演技が見事だった。