独裁者ヒトラーを辛辣に批判した風刺コメディ
アメリカ、チャールズ・チャップリン監督 125分
1918年の第一次世界大戦末期、トメニア国の兵士として従軍していた床屋は飛行機事故で記憶を失ってしまう。床屋が病院で数年を過ごしている間に、トメニアは独裁者ヒンケルが政権を握り、ユダヤ人迫害を開始する。
そんな中、何も知らずに退院した床屋はゲットーに戻って店を再開する。そしてハンナという若い女性と親しくなる。

ヒンケルは隣国のオーストリッチ]侵略を企て、ユダヤ系の金融資本から金を引き出すため、ユダヤ人への抑圧政策を緩和した。しかし資金援助を断られるとヒンケルはゲットーを襲うようになる。
そして、ラジオ放送においてユダヤ人への怒りを露わにした演説を行い、ユダヤ人迫害を再び強化する。ところが皮肉なことにヒンケルと床屋は瓜二つだった。

オーストリッチの国境でヒンケルは床屋と間違われ警備兵に逮捕され、反対に床屋はヒンケルと間違えられたまま、トメニア軍に占領されたオーストリッチの首都へ連れていかれ、大勢の兵士が集う広場で演説を行うことになる。
マイクの前に立った床屋は演説を行うが、それは自由と民主主義と寛容、人種の壁を越えた融和を訴えるものだった。
民主主義の危機と言われる今の時代にも通用する作品だった。今の国際状況からみても決して的外れの映画ではない。チャップリンの軽妙なパントマイムが冴えわたっていた。
1938年に原案から映画化を決め、39年に脚本を仕上げクランクインしたのが、ドイツ軍のポーランド侵攻から勃発した第二次世界大戦開戦の2週間後だった。
ちなみにこの映画は1940年アメリカで初公開された。