全編を覆う異様な雰囲気
アメリカ各地で若い女性の皮膚が剥され遺体が川に流されるという連続猟奇殺人事件がおこり、犯人は「バッファロー・ビル」と呼ばれた。精神異常者だった。
FBIの優秀な女性訓練生クラリスはその連続事件に関わってゆく。

クラリスは犯罪者として8年間も精神病院に収監されているレクター博士と面会する。それは、天才的な精神科医でありながら、自らの患者を次々と死に追いやったレクターこそ事件の謎を解く鍵になると見込んでのことだった。彼は被害者を食べ、「人食いレクター」を呼ばれた危険な男だった。
クラリスに興味を持ったレクターは犯人の手がかりを与えてゆく。やがて上院議員の娘がバッファロー・ビルに誘拐される。

精神病院院長チルトンは、自身の出世のためにレクターを上院議員に売り込む。議員である母親は、捜査協力の見返りとして、レクターを警備の緩い刑務所へ移送させることを約束する。しかし、レクターは、移送の隙をついて警備の警察官や救急隊員たちを殺害して脱獄を果たす。
一方、クラリスはレクターのヒントから犠牲者たちの足跡を追跡しているうちに怪しい男と出くわす。クラリスはこの男がバッファロー・ビルだと確信する。
異常者の猟奇的な雰囲気が覆っている作品だった。一体物語はどのように展開していくのかハラハラしながら映画にのめり込んでゆく。凄まじい完成度と圧倒的な重厚感。バッファロー・ビルが蛾を好んでいたのは変身するからだった。自分にも変身願望があったからだろう。
サイコスリラーの傑作。