暑さとけだるさの残る南部の田舎町
アメリカ、ノーマン・ジュイソン監督、109分
厳しい人種差別が根強く残る1960年代のアメリカ南部ミシシッピ州の小さな町スパータに深夜、一人の黒人の男が列車から降り立った。その町では深夜に富豪の実業家コルバートの他殺体が発見されていた。白人の警察署長ギレスピーのもとにその黒人の男が容疑者として連行される。

ところがその男はフィラデルフィア警察の優秀なエリート刑事ティップスだった。殺人事件が初めてのギレスピーは渋々ながら協力を依頼する。厳しい人種差別の中、捜査を続けるティップスだった。
都会の刑事対田舎の署長という警察官同士の対立はあったが、警察署長は案外、偏見も少なく、それなりに有能な警察官だった。
ティップスが町の有力者の農園主に殴られると間髪を入れずに殴り返した。それを聞いた市長は「前の署長だったら正当防衛でティップスを撃ち殺していた」という。それほど人種差別には厳しいものがあった。
今なお南部ではその差別は残っているのではないだろうか。

ティップスは白人たちに襲われるが、それを助けたのは署長だった。黒人は一人で戦わなければならなかった。夜の熱気の中ムンムンとする町の不穏な空気がみなぎっていた。
署長のギレスピーの自宅に招かれ二人で会話をするシーンではギレスピーは家族もなく、ボロ家に住んでいる孤独な男だということが分かる。ティップスが誰もがそうだと言うと同情は無用だと言い放つ男だった。
クインシー・ジョーンズ作曲、レイ・チャールズの歌も印象に残るものだった。
公民権運動の熱気と緊迫感に包まれた時代の作品だった。