深い闇に閉ざされたようなサスペンス
リトアニア、エミリス・ベリビス監督 114分
引退間際の警察署長ギンタスは市長選に出馬しようと決意していた。しかし彼には重大な秘密があった。ギンタスは1990年当時、旧ソ連時代の秘密工作員だった。
秘密ファイルを巡っての争いで5人の工作員たちは無実の者に罪を着せて事件を闇に葬った。

30年後、1990年の事件にかかわった工作員の仲間だった検事、判事、神父たちが次々と残虐な拷問のうえ殺されてゆく。
毒ヘビ、ヘラジカ、雄バチという彼らのコードネームを使っての猟奇殺人だった。毒ヘビを口から飲ませ内臓を破壊していた。それは想像を絶する苦痛だった。

ギンタスは検事局からやってきたエリート検察官シナモスとともに反発しながらも捜査に乗り出す。計画的な犯行であることは一目瞭然だった。
ある日、ギンタスは容疑者として収監される。しかしこの事件には1990年の犯罪が影を落としていたのだ。
途中で片目の男が犯人だと確信するが、まったく違っていた。最後まで真犯人は分からない。とてもダークなテイストを持つ見事なサスペンスだった。
リトアニア映画は初めて鑑賞したが、もっと陰鬱でホラー的な物語だと思っていた。ところがオーソドックスな作風で違和感なく充分に楽しめた。