凄まじい権謀術数
イギリス、ジョージ―・ルーク監督 124分
16歳でフランス王妃になりながら、18歳で未亡人となったメアリーはフランス育ちのカトリックとして1561年、故郷のスコットランドに女王として帰ってきた。
しかし当時のスコットランドは新教徒の勢力が強く、カトリックのメアリーは快く受け入れられなかった。メアリーは臣下の策略に翻弄され、内乱などによって、何度も王座を追われそうになる。

一方、従姉であるイングランド女王エリザベスとは王位継承をめぐって複雑な感情に陥っていた。天然痘の跡が残ったエリザベスと違ってメアリーは美しく、結婚もして男児を産む。二人は男性社会の中で孤軍奮闘する女性として激動の世の中を生き抜いてゆく。
二人にとって女王としての悲哀は同じものだった。とうとう最後にメアリーは女王としてエリザベスに助けを求めるが、「私はもう男なの」と断られる。エリザベスもまた陰謀に怯えながら生きていたのだ。

メアリーは1587年、臣下たちの陰謀によって処刑される。安泰となったエリザベスは45年間、イングランド女王として君臨する。
結婚までして男児を産んだ強気のメアリーと何もせずにじっと忍耐強く待ち続けたエリザベスの違いがこの結果になったのかもしれない。
しかしメアリーの産んだジェームズは後に、統合されたイングランドとスコットランドの初めての君主となる。
男の暴力と策謀との間で振り回されるメアリーの悲哀を痛烈に感じさせる作品だった。