ひげもじゃ汚い顔つきのハンフリー・ボガートの心が汚くなっていく芝居を、じっくりたっぷり見せられる作品であった。名作ってことで見たんだけれども、まー確かにそう言われるだけのことはあるねえ。
ワリとわかりやすいストーリー展開だと思うんだけれども、裏切りの緊張感の中にニューカマーがやってきて意外な展開を迎えたり、子どもを助けたことでかえって危機が訪れたり、わかりやすいけれども効果的なストーリー展開のひねりが凄いなー。最初にあの老人が言ってた思わせぶりな言葉の射程に入っているからこその先読みだよねー。あと、ハンフリー・ボガートに善性があって欲しいという巧みな心理の誘導。あとそのストーリーが必要最低限のセリフに支えられてるのもストイックな作品の雰囲気に合ってるよねえ。いやー、ホントに脚本が良かったなあ。
あと老人のキャラクターが全体のトーンを救っているよなあ。オッサンが3人、欲望を抱きながら共同生活をする話で、まあむさ苦しい絵面なので、あのユーモアには救われる。
それにしても、アメリカっていう国をそのまま象徴するような映画だなーと思いました。国家の精神がこういうハリウッド映画に見出せるってのはやっぱりスゴイ作品だよな。