いやー、これは色々切り口のある話ではあるなあ。
犯罪としてはめちゃくちゃオーソドックスというか、浮気した夫が妊娠した妻が邪魔になって殺してしまった、といういかにも短絡的な犯行ではあるよね。殺人があったらまずその配偶者を疑うなんて、こういう事件の初歩の初歩だろうし、その顛末に驚きは全くない。
でもその見せ方がなかなか良くて、とにかく冒頭、警察の初動の操作が実際の映像で見られるのがとても良いよなあ。視聴者は事件の中に放り込まれつつ、いかにも怪しい挙動をする被害者の夫を目の当たりにして、一応被害者である可能性に配慮しながらも、「コイツがやったクサいよな?」って疑念を抱きつつ状況を確認するのが大変面白い。犯人だったらこういうメッセージのやり取りも芝居なんだろうなーってのが最高です。
そしてその芝居がバレて、犯人が自白するまでのプロセスも大変リアルで良いよねえ。浮気をしている事実なんて、警察が動けばすぐにバレるのは見え見えだし、嘘発見器のくだりも冷静に考えて避けようがない。素人がいくら足掻いたところでこれは捕まらざるを得ないって説得力がハンパないんだよな。だって何にも意外な展開! みたいなのがないんだもん。一番意外だったのは犯人の最後の足掻きの嘘筋書きくらい?
まーでも、そういうひねりのない最悪の犯罪を、SNSの記録を通じて感情を揺さぶる形で仕上げたっていうのがこのドキュメンタリーの価値なのかもしれないなー。