ジェームズ・ガンの作品だけれども、いやー、思いの他シンプルな話だったなあ。
まずは何より悪役の造形が良いですね。もちろんその裏にはジェフ・ベゾスだのイーロン・マスクだののイメージが載っているんだろうけれども、なんか全然書き割りって感じがしなかったんだよなー不思議。いやまあやってることはかなり戯画化されていて、現実の人間がここまでやるわけないだろってのは前提として――あるか? いやでもイーロン・マスクがトランプ政権であーだこーだやったあとだからなあ。絶対にあり得ないとは言いきれないのがアレだよなあ。ともあれ、そういう現実の微妙なニュアンスも交えつつ、悪役がなんか妙に魅力的に感じられてしまう描き方になってる気がするんだよな。見ている俺が惹かれているだけか? コップを何度も割るバカバカしさとか、あんなよくわからん女に重要機密を握られる間抜けさとか、そういう人間臭さがかなりありますよね。
にしてもコレ、スーパーマンが国家と真正面から対立する話になってて、それじゃあ星条旗のカラーを纏った意味をどこに見出すんだろうと思っていたら、それをあそこまで露骨に田舎の両親に求めるのにはビックリしてしまった。「ピースメイカー」とか、主人公に対比する人物として黒人女性を置いて、かなりわかりやすく多様性の話にしてあったので、まさかあんなにストレートにアメリカの良心を表現されるとはなあ。もちろん納得感はあるし、ある意味安牌ではあるのだろうけれども、ほんとうにそれで大丈夫? みたいな感じも少し持ってしまったのだった。なんかこう、クローンへの容赦の無さとか見ても、ビミョーに危ういところを孕んでる気もやっぱするよなあジェームズ・ガン。