直接の事実が下敷きになっているわけじゃないのか。いかにもありそうな話……ではあるけれども、まあフィクションだからこそわかりやすい話に仕上がっている感じはする。
全体を通すと後半の展開がちょっと急な気がする。あの流れで警官が突入するのが当たり前なんだ……という感じ。ネゴシエイターももっと活躍してくれるのかと思ったら、基本的には突入を指示する側で終わったので、結構意外だった。まああそこでハッピーな結末にせず、むしろ現実にこういうことが行われてしまうという展開に持って行った方が、確かに作品のテーマには合ってるか。でも全裸で歌うのが正直よくわからん。なんかが下敷きになってるはずだよねアレ。
わからんといえばシロクマがよくわからん。アレなんなんだ。なんか象徴的な意味があるはずだよね。そういうのがちゃんと読むべきものとしてあげられている映画という感じはする。
しかしまあ、映画としてはあの『怒りの葡萄』の読み上げ一発で参りました、という感じだよなー。アメリカの文学史に残る傑作であり、ハリウッドという土地を作った神話的な作品を、改めて現代の公共を問う映画で取り上げるのは、シナリオ的にめちゃくちゃ良くできていて涙がこぼれちゃいましたわ。ここまで本歌取りにやられた作品はあんまり記憶にないなあ。