あーうん、これは大変良くできてる映画ではないでしょうか。もちろん大ネタは連続殺人犯とのスリリングなやり取りなワケで、そのシーンだけでももう見所たっぷりなんだけれども、それ以前に何重にも張り巡らされた「女性が普段受けている抑圧」の描写が大変唸らされるデキでねえ。それもただ声高に非難するんじゃなくて、例えば飲み屋での後にベッドシーンがあったり、相手の訴えを軽視した後の花を持っての和解のシーンがあったりと、単純に割り切れない人生のやりきれなさみたいなところでめちゃくちゃ説得力があるのがとてもいい。すごくいい。
そんなのがあるから、シリアルキラーの豹変のくだりもまあ、地に足が付いていてめちゃくちゃ怖いんだよなあ。店員が注文を断るくだりの女性同士のアイコンタクト、アレ本当に唸らされちゃったよ。偽の電話番号を疑われるくだりとかも、女性が被害者だからこその切迫感がめちゃくちゃ怖い。ってか、一言小声で脅すだけであんなに怖いんだもんなあ。そして、ひとりの有望な女性の未来が、いとも簡単に砕かれてしまうんだもんなあ。
あの目撃者と彼氏との関係ではないけれども、実際自分が体験するとしないとでは、全然受け止め方が違うんだろうなあ。そういう意味でも、男こそ見た方がいい映画だなーと思いましたよ。