まずこの本をどこまで信頼したもんか……というのはちょっと考えてしまった。指輪物語のくだりとか、アレがヒッピー・ムーブメントで重要な役割を果たしたのって結構有名な話だと思うんだけれども、この本では結構真逆に扱われているよねえ。スティーブ・ジョブズを補助線に引くと、その辺りの視点って外せない気がするんだけど……どうもこう、著者自体が人文系の知識を軽視しているような気もしていて、ちょっと警戒しながら読み進めることになった。っていうか全体的に、人権に対する言及とかが少なすぎて、コレ本当に大丈夫? と思う。テクノ・リバリタリアンとこの本で呼ばれる人たちは、完全な勝者であって弱者視点を軽視しがちな気はするので、そこに対する読者への配慮って必要だと思うんだけどなー。一番自分たちに馴染み深いのって、ツイッターでのイーロン・マスクの振る舞いだと思うので、そこら辺はもう少し触れて欲しかったぜ。
とはいえ色々面白い本だった。どれだけそれを真に受けていいのかはともかく、リベラルとリバタリアンと保守と……みたいな図式はなるほど説得力があった。あそこらへんの図式を整理するだけでも価値があったと思う。
あとはブロックチェーンがらみの話しも大変面白く、社会のデザインに直接アクセスしようとしているのだなあ、というのもなかなか刺激的だった。まーだからこそ、やっぱり多様性とかマイノリティの視点は重要だよね、ポリコレ大事だよね、みたいなところに俺の感想はいってしまうけど。