繊細……なんだけれども、黒沢明版のインパクトがめちゃくちゃ強かったから、なんか物足りなさを感じてしまうよなあ。記憶がもう曖昧なんだけど、前半の主人公が決意するパートとか、あんなに細やかにわかりやすくやってたっけ? 内面がイマイチ良くわかんないまま、むき身でドン! と葬式がやってきて……のインパクトと、モノクロのハイライトがクソ強いブランコのシーンがあるからこそ、の映画であるような印象なので、このリメイク、イイ映画ではあるが全然印象度が違うよなあ、とは思ってしまう。
にしてもこれ、イギリスでやる意味のある話になっているよなあ。そんなおおっぴらじゃないけれども、硬直した官僚組織に対して女性の視点が風穴を空ける話になっていて、それはこの時代のこの場所であることにちゃんと意味があるというか。いや翻って、「生きる。」があの時代の日本を舞台にしたことにも、ハッキリと強い意味があったわけだけれども。
前半の、酒を飲んだり女性と遊んだりという、「男らしい」遊びでは全く満たされなかった主人公が、ラストのブランコのシーンで幸せな姿でいられる、というのは、まあたぶん意図したんだろうし、とても良いシーンになっていると思いました。あの名シーンからの逆算で、こういうシナリオになったのかもしれないなー、みたいなことも思ったよ。