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正直全体的にはどーしょーもない話でこのどーしょーもなさはそんな好きじゃないなーと思いながらもなんかこう気になって目が離せなくて最後まで読んでしまう感じがあるのだった。やっぱコレが馬子の馬子たる所以なんだろうなーと思う。
なんつってもヘップですよヘップ。ヘップをはいたおばちゃん。河童に川弘法に筆おばちゃんにヘップ。ワタクシファッションにサッパリ詳しくないのでヘップサンダルってオードリー・ヘップバーンから来てることなんて全然知りませんでしたが、厚かましくてヒョウ柄でオメコ大好きで道ばたにてうんこブリブリ垂れ流す大阪のおばちゃんがヘプバーンの靴履いて山道歩いて「あーしんどあーしんど」言うわけですよ。そんなんが主役って、いやあ、やっぱり作者もこういうキャラ書きたかったんだろうなあ。
素晴らしいのは言語感覚で、本文のありとあらゆるところに語呂合わせやら駄洒落やらが散りばめられている、っつーかむしろその言葉遊びこそがこの話の根本を支えてるようなところがあるんだけど、その言葉を切って刻んでひっくり返してこねくり回して新しい解釈を導き出すそのやり方に、使われてる日本語の土着感といいますか、他の言語では出ないネイティブな感覚がじっくりと浸みていて大変ステキ。それらが結実する馬子の伝統芸能「おんびき祭文」の妙な迫力と説得力は必見であります。
他にも見所は多々あって、UMAの正体種明かしパートはちゃんと捻りが利いているし(ツチノコの正体!)、ラストの大怪獣バトルにいちいち大阪ローカル地名が挟まる得も言われぬ感覚もちょっと他では味わえないなーと思うのだけど、まあ何はともあれ馬子が大変ウマいコと描かれてるのをたっぷり堪能するべき小説じゃないでしょうか。