先日私は、Professional Cloud Architect(以下、PCA)の試験を受け、無事合格しました。
PCA取得のために要した期間は1ヶ月半、その中での勉強時間は250時間ほどです。
短い期間に集中して取り組んだ勉強でしたが、得たものは非常に多く、自分でも驚くほどの成長を実感しています。
なぜこの記事を書いたか
「PCAは簡単に取得できる」という記事をインターネットで散見します。
実際、次の記事にもあるように、現在のPCAはUdemyの模試を受ければ高確率で受かります。
その理由は、Udemyの模試のレビューにもあるように、8割ほど模試と酷似した問題が出題されるためです。
しかし、ただ取るだけの資格には何の価値もありません。
価値があるのは、資格を取るために学んだ知識です。
そこで今回は、PCA取得のために必要な正攻法の勉強を、私の経験をベースに紹介します。
受験のきっかけ
現在私が所属する企業がGoogle Cloud社のサポートを受けている関係で、全社的にGoogle Cloud認定資格を取得するプログラムを組んでいただきました。
私もそのプログラムに参加して、PCAを受験しました。
受験者(私)のスペック
クラウドインフラの知識はAWSでWebシステムを運用する実務経験から得たものしかなく、特にGoogle Cloudは全くの未経験でした。
なので、「Google Cloudの知識を得ること」と「クラウドインフラの広い知識を得ること」が私の受験の目標でした。
この記事の対象読者
PCAを取得するに足る能力を身につけて、PCAを取得したい方
良かった勉強法3選
私が実施した勉強のうち、最も効果的だと感じたのは次の3つです。
1. Coursera や Google Cloud Skills Boost で基礎知識を付ける
Coursera と Google Cloud Skills Boost (旧 Qwiklabs) は、インターネット上のPCA合格記でしばしば紹介されています。
Coursera は、世界中の大学や企業が教材を提供するオンライン学習サービスで、Google Cloud社も多くの教材を提供しています。
一方で、Google Cloud Skills BoostはGoogle Cloud社が運営するオンライン学習プラットフォームです。
どちらも日本語の講座が豊富にあります。
どちらを利用するにも多少の費用が掛かりますが、Google Cloudのカスタマーエンジニアの方にもこれらの教材をオススメされたこともあり、まず間違いない選択肢だと思います。
参考までに、私が利用した教材は次のとおりです。
Coursera
- Google Cloud Fundamentals: Core Infrastructure 日本語版
- Essential Cloud Infrastructure: Foundation 日本語版
- Essential Cloud Infrastructure: Core Services 日本語版
- Elastic Cloud Infrastructure: Scaling and Automation 日本語版
- Reliable Cloud Infrastructure: Design and Process 日本語版
- Getting Started with Google Kubernetes Engine 日本語版
Google Cloud Skills Boost
これらの教材は、公式ドキュメントが要所にリンクされており、正確で最新情報が追いやすいようにデザインされています。
また、講座の数も充実しているため、PCAの出題範囲に合わせて広く学ぶにはこれらの教材がベストだと私は思います。
欠点として(元が英語のため)日本語訳に少し難がありますが、…根気強く読みましょう。
FYI: 日本語の分かりやすさは書籍が一番
読みやすい日本語で書かれた教材を求めるなら、日本人が著作した Google Cloud の書籍で学習するのが良いです。
ただ、書籍は出版された時点の最新情報が掲載されるため、ライフサイクルの早い Google Cloud 製品を学ぶのには慎重な教材選びが必要になります。
もし学習に書籍を選ぶ方は、その点をお気を付けください。
2. Google Cloud公式セミナーのアーカイブを見る
AssociateレベルのACE(Associate Cloud Engineer)と比較して、PCAはシンプルに出題範囲が広いです。
ACEはGoogle Cloud製品の技術的な仕様を問う問題が出題される傾向にあります。
PCAはACEの出題範囲に加えて、ビジネス要件を加味して「インフラをどう最適化するか」まで問われます。
そのためPCAの問題を解くには、技術要件とビジネス要件の両方に対応できる、より実際の設計業務に即した知識が必要になります。
となると頼れるのは、普段の業務で使う学習リソースと同じです。
普段の業務で困ったとき、何に頼るかと言ったら、やはりGoogle Cloud公式の学習リソースが良いでしょう。
オススメの公式リソースについては、Google Cloudのカスタマーエンジニアの方に直接教えてもらいました。
例として、「アプリを動作させるサーバを管理するサービスに、何を選べば良いか?」という問いは、PCAにも普段の業務にも頻出するテーマです。
このテーマに対し、現在(2022年夏)のGoogle Cloudには、次の5つの選択肢があります。
- Google Compute Engine(GCE)
- Google Kubernetes Engine(GKE)
- Cloud Run
- App Engine
- Cloud Function
これらのサービスをどんな時に選べば良いか、という広い知識が必要な質問に対し、カスタマーエンジニアの方には次のスライド資料を紹介していただきました。

また、DBの選び方に対しては、こちらのスライド資料を紹介いただきました。

これらのスライド資料は「Cloud OnAir」という、Google Cloud社が開催するセミナーイベントで使われたものです。
多くのセミナーがアーカイブとして、スライド資料とオンデマンド配信を公開しています。
ただ、残念ながら Cloud OnAir トップページ には検索機能がありません。
何か欲しい知識があったら、「イベント名 → セミナー」の順でアーカイブを探す必要があります。
なお、アーカイブを探す際は、なるべく新しいセミナーを参考にすることをお勧めします。
もしあなたの所属している企業がGoogle Cloud製品を使っている、またはパートナー契約を結んでいるようであれば、担当のカスタマーエンジニアの方に相談すると良いでしょう。
FYI: そのほかオススメ資料
参考までに私は今回の勉強に際して、次のセミナーの資料を参考にしました。
3. ケーススタディを読みながら模試問題を解く
模試問題を解くのは、最後の最後です。
とことん勉強した後に、最後の腕試しとして取り組むと良いと思います。
PCAの模試は、現在(私の知る限り)次の2つがあります。
これらを解く際は、ぜひ本番だと思って受けてみてください。
これら模試で平均70点以上取れれば、PCAを合格するに足る実力を満たしたと言えるだろうと私は思います。
間違った問題や不明点は公式ドキュメントを読んで復習し、合格に必要な知識を盤石なものにしてください。
FYI: 勉強のためのワンポイント
Google Cloud認定資格の勉強していると、自然と良質なベストプラクティスに辿り着きます。
これは、Google Cloud製品がそれらベストプラクティスに則って設計されたサービスであるためです。
勉強中、もし知らない概念やキーワードを見かけたら、ぜひ適宜検索してみてください。
「基本ルール」と読み替えられるほどの素晴らしいベストプラクティスを学ぶきっかけが得られます。
Dockerセキュリティのベストプラクティス。
— Hirosaji (@hirosaji) 2022年8月11日
コンテナのアンチパターンを調べたら辿り着いた。https://t.co/EWFULMHSbU
良くできたベストプラクティスは「基本ルール」と読み替えられるくらい万能なので、見つけたら全部読む。
(Google Cloud独自の用語もあるので、調べたら備忘録として、自分だけの用語集を作るのもオススメです)
おわりに
PCAを取得した自身の経験をもとに、取得までに必要な知識を得る手段をまとめました。
正直楽な手段は無いのですが、根気強く学べば、自分でも驚くほどの成長が見込めるはずです。
また、繰り返しになりますが、持っているだけの資格には何の価値もありません。
むしろ、知識を持たずに資格だけを持っている人は、マイナスに評価されることの方が多いと思います。
PCAのブランドのためにも、皆さんのキャリアのためにも、ぜひ実力を満たした上で資格取得に挑んでください。
P.S. 受験時の諸注意
夏のテストセンターはとにかく冷房が効いてるので、上着を持ち込むことをお忘れなく…。