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立憲・公明の「中道新党」は政権交代の担い手になるか、1月23日通常国会冒頭解散にあたって(1)、共産党の再生は可能か(その3)

 今回の通常国会冒頭解散にともなう政変劇は驚くことばかりだ。なかでも「連立解消の公明 与野党両にらみ」「斉藤代表、自民含め各党と等距離」(朝日新聞、1月14日)とされてきた「どっちつかず」の公明党が、一転して立憲民主党との新党結成に踏み切ったのには驚いた。野田立憲民主党代表と斎藤公明党代表の会談後の発言要旨は以下の通り(読売新聞、1月16日)。

【新党結成】

 野田:公明党から呼びかけがあり、共に新党を作って戦っていく合意ができた。

 斉藤:政治の右傾化が見られる中で、中道勢力を結集することが重要だとの観点から立民、国民民主党、自民党の穏健派に声をかけてきた。

【合流方式】

 斉藤:公明、立民が存続したまま新党を設立する。中道改革の理念や、公明が掲げた五つの旗印に賛同する議員が参加して統一名簿を作成する。参院、地方議員は両党に引き続き所属する。

 野田:党と党の合流ではない。参院、地方議会でも段階を経てそうなる(統合する)結果を出していきたい。

【理念】

 野田:安全保障、原発も含めて綱領を来週初めまでに詰める。

 斉藤:自民と全面対決する党を作るつもりはない。第二新進党を目指すものではない。

【衆院選対応】

 斉藤:小選挙区では、今回結集する候補者を両党で応援する。比例代表名簿には、公明出身者も登載する。小選挙区には公明出身の候補者は擁立しない。

【党名・役員人事】

 野田:党名は16日あたりには決めたい。※党名は「中道改革連合」に決まった。

 斉藤:野田氏と私で共同代表でスタートする。

 

 1月16日の各紙は、いずれも数面にわたってこれまでの経緯を詳細に伝えている。膨大な内容なので「見出し」だけを挙げよう。

〇読売新聞

――「立民・公明 新党結成」「衆院選『中道改革』結集へ、野田・斉藤氏 共同代表に」(1面)

――「社説 立民・公明新党、政界再編への起爆剤になるか」「新党で党勢打開、立民・公明」「政権『保守色』対立軸目指す」「新進党時も部分合流 公明」(3面)

――「自民、公明票離れ危機感、立公が新党結成」「国民民主『加わらない』」「自民、公約作り着手、『積極財政』・安保が柱」(4面)

――「新党結成『寝耳に水』、立民・公明 選挙戦の構図一変 困惑」(25面)

〇朝日新聞

――「立憲と公明 新党結成合意、衆院議員離党し参加」「『中道勢力の結集』狙う」「『公明に接近 党の生きる道これしか』」(1面)

 ――「新党ショック 政界激震」「昨秋から交渉 解散報道で急加速」「公明、中道主義を重視 立憲、脱『民主党』狙う」「公明と断絶 消えた自民の期待」(2面)

 ――「新進党から30年 対自民の結集、立憲・公明代表 再び行動ともに」「中道勢力 政治のど真ん中に 野田氏」「包摂主義・共生社会を目指す 斉藤氏」(4面)

〇毎日新聞

 ――「立憲・公明 新党結成合意、衆院のみ 党名『中道』含む方針」「国民『参加せず』」(1面)

 ――「局面打開へ 中道の一手、立憲・公明 新党結成」「解散報道2日後 極秘会談、夏ごろから水面下で接触」「新進党がモデルか」(3面)

 ――「社説 高市首相が衆院解散へ、大儀欠いた権力の乱用だ」「立憲と公明『公明票』の行方は?」「自民 最大42議席影響、都市部中心に苦戦 党幹部警戒感」「立憲・公明代表の発言 要旨」(5面)

〇日経新聞

 ――「立・公が新党『中道結集』」「衆院選 公明は小選挙区撤退」「『反・高市』で対抗軸」(1面)

 ――「社説 立公中道新党は政策と刷新感が試される」(2面)

 ――「立・公、多党化で埋没に焦り、無党派層の受け皿へ『中道』強調」「綱領・政策とりまとめへ、原発・安保は温度差も」「自民現職 2割苦戦か、小選挙区 公明票離反なら打撃に」「新党、『新進党』に類似、連合傘下の労組支援、寄り合い所帯、3年で解党」(3面)

 

 いずれも似通った紙面だが、読売新聞社説「立民・公明新党、政界再編への起爆剤になるか」がわかりやすい(要旨)。

 ――急転直下の衆院解散によって、受け身に回ると思われていた野党側に、大きな結集軸ができる可能性が出てきた。高市首相が、狙い通りに衆院選で安定した政権基盤を築くことができるか。あるいは中道や改革を掲げる新党が有権者の期待を集めるのか。政界再編含みの短期決戦となる。

 ――立民は野党第1党でありながら、昨年7月の参院選の比例票が国民民主、参政の両党を下回る739万票にとどまった。公明も最多だった2004年862万票に比べて約6割の521万票しか獲得できなかった。新党結成の判断は、立民、公明ともに、このままではじり貧になりかねない、という危機感が背景にあるのだろう。首相が今回、唐突に解散に打って出るのは、内閣支持率が高いうちなら勝利できる、との目算に基づいていよう。

――だが、衆院選の情勢は見通せなくなってきたのではないか。新党は綱領に、現役世代の負担に配慮した社会保障政策や、現実的な外交・防衛政策を進めるといった五つの柱を盛り込む方針だ。こうした基本方針は、従来の立民、公明両党の支持者に限らず、一定の保守層からも支持される可能性がある。野田氏は「穏健な保守にもリベラルにも波及できるチャンスがきた」と強調した。

 

この社説を読んで、昨年11月25日の拙ブログで11月15日刊行の山口二郎・中北浩爾編著『日本政治、再建の条件――失われた30年を超えて』(筑摩選書)を紹介したことを思い出した。山口氏は、右派ポピュリズム政党の進出という最悪のシナリオを防ぐためには、自民党が穏健派と右派に分裂し、穏健派が現在の立憲民主党などと連携して政権を担うという「穏健連合」のシナリオを提唱している。この時点では自公連立政権の崩壊はまだ視野に入っていなかったが、今回の立民・公明両党による新党結成は、その文脈に沿っているとも考えられる。

 

穏健連合の任務は、財政制約の中でできるだけ再分配を進め、社会、経済の持続可能性を維持すること、国力相応の防衛力整備を進めつつ戦争を回避することだとある。穏健中道と右派ポピュリストという対立構図ができれば、保守層の中にも穏健連合に参加する勢力が出てくるかもしれない。野田氏は「穏健な保守にもリベラルにも波及できるチャンスがきた」と強調し、斉藤氏は「政治の右傾化が見られる中で、中道勢力を結集することが重要だとの観点から自民党穏健派にも声をかけてきた」と述べている。高市政権が維新との連立によって日々右派政権の色彩を強めつつある現在、立民・公明両党の新党結成は、政界再編あるいは政権交代の切っ掛けになるかもしれない。

 

なお、本ブログを執筆中に、志位議長が今回の衆院選には出馬しないと言うニュースが飛び込んできた。その理由は定かではないが、次回はこの点について考えてみたい(つづく)。




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