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銀行の不透明性と預金利率

というNBER論文が上がっているungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Bank Opacity and Deposit Rates」で、著者はAna Babus(セントルイスワシントン大学)、Maryam Farboodi(MIT)、Gabriela Stockler(ポンペウ・ファブラ大学)。
以下はその要旨。

Banks face a dual mandate of raising cheap deposits while avoiding liquidity risk. We propose a novel mechanism whereby banks use portfolio opacity to meet this objective. Specifically, banks choose opaque portfolios to secure cheap long-term funding while trading off insolvency and illiquidity. We show that while opacity lowers deposit rates, it also leaves depositors with only noisy information about the bank’s solvency, making them cautious about keeping their funds in the bank—particularly when interest rates are high. We show that opacity raises bank profits, sometimes at the cost of exposure to high probability of illiquidity. In particular, in high-rate environments, banks adopt excessive opacity to further reduce deposit rates—at the cost of more frequent early failures.
(拙訳)
銀行は、流動性リスクを避けつつ安価な預金を調達するという2つの使命に直面している。我々は、銀行がポートフォリオの不透明性を用いてこの目標を達成するという新たなメカニズムを提案する。具体的には、銀行は、債務履行能力と非流動性とのトレードオフを行いつつ、安価な長期資金を確保するために、不透明なポートフォリオを選択する。不透明性は預金利率を下げる半面、銀行の支払い能力について預金者にノイズのある情報しかもたらさず、彼らは資金を銀行に預けるのに慎重になる――特に金利が高い場合はそうである――ということを我々は示す。我々は、不透明性が、非流動性に陥る可能性が高くなることを時には対価として、銀行利益を増やすことを示す。特に高金利の環境では、銀行は預金利率をさらに下げるために過度の不透明性を選択する――その対価は早期の破綻の頻度が上がることである。

完全に透明なポートフォリオでは、預金者は銀行の中間的なリターンを完全に把握する。そのため、預金引き出し時における銀行の債務履行能力に関する不確実性は無くなる。この時、流動性と債務履行能力は一致し、両者のトレードオフ問題は生じない。この場合、銀行は、返済確率を高めて預金者に低い預金利回りを受け入れることを促すため、分散度の高いポートフォリオを選択するのが普通である。例外は外部環境の金利が非常に魅力的な場合で、その時の銀行は、集中度の高いポートフォリオでその便益を得るというリスクをシフトする行動を取る。
一方、完全に不透明なポートフォリオでは、預金者は中間的なリターンに関する情報を全く得られず、そのため彼らの預金引き出しは完全に予測可能なものとなり、流動性リスクは無くなる。この場合も銀行は分散度の高いポートフォリオを選択する。安定的なリターン分布が債務不履行リスクを低め、預金利回りを低下させるためである。
いずれの場合も、ポートフォリオ配分はリターンの分布には影響するが、預金者が利用できる情報には影響しない。それに対し、部分的に不透明なポートフォリオでは、銀行が自行のポートフォリオのリスクプロフィールをどのように戦略的に管理するかによって預金者が利用できる情報は変わってくる。その場合、ポートフォリオの分散度が高いと債務履行能力は改善し、長期の預金利回りを下げるが、預金者が利用できる情報は不明確になり、早期の預金引き出しの確率が高まる。逆にポートフォリオの集中度が高いと、預金者が受け取るシグナルは明確化し、流動性リスクは減るが、資金調達コストと債務不履行リスクは高まる。従って銀行は、両リスクを最小化ではなくバランスするようにポートフォリオ配分を選択することになる、との由。




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