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誰が為の世界貿易システム? 世界の関税からの実証結果

というNBER論文が上がっているungated版)。原題は「World Trading System For Whom? Evidence from Global Tariffs」で、著者はRodrigo Adão(シカゴ大)、John Sturm Becko(プリンストン大)、Arnaud Costinot(MIT)、Dave Donaldson(同)。
以下はその要旨。

We use global tariffs to reveal the weights that nations implicitly place on the welfare of their trading partners relative to their own. Our estimated welfare weights suggest that formal and informal rules of the world trading system make countries internalize the impact of their policies onto others to a substantial extent, though not fully. On average, countries place 25% less value on transfers to foreigners than transfers to their own residents. Across nations, we find that countries that put higher welfare weights on the welfare of foreigners also tend to receive higher weights from them, consistent with a general form of reciprocity among nations. Using our estimated welfare weights, we provide a first look at what countries stand to lose, or gain, from the dissolution of the world trading system as we know it.
(拙訳)
我々は、世界の関税を用いて、国が暗黙裡に自国に比べて貿易相手国の厚生に置いている加重を明らかにした。我々が推計した厚生加重は、世界貿易システムの公式および非公式のルールによって、各国が自国の政策が他国に与える影響を完全ではないがかなりの程度内部化していることを示している。平均して各国は、自国民への移転に比べて海外への移転に25%低い価値を置いている。国同士の関係において、海外の厚生に高い加重を置いている国は、海外からも高い加重を得る傾向があることを我々は見い出した。これは各国間の互恵主義の一般的な形と整合的である。推計した厚生加重を用いて我々は、我々が知っている形の世界貿易システムが解消した場合の各国の得失について最初の推計を提示する。

著者のうち3人が共通している貿易が自由貿易でない理由は? 顕示選好アプローチ - himaginary’s diaryで紹介した論文では、国内の異なる集団の厚生加重を用いた分析を行っていたが、ここでは内外の厚生加重を用いた分析を行っている。

結論部では、主要な発見として以下の3点を挙げている。

  1. 国際的な協力は強力で広範
    • サンプル国の圧倒的多数が他のすべての国に相当の加重を置いていた。
  2. 利他主義のような形態が主流ではあったが、関税は世界がパレート効率になるようには設定されていなかった
  3. 以前には記録されていなかった互恵的な協調行動を明らかにした

この3点はGATT/WTOのような公的な貿易協定の内外で驚くほど似通っていたとの由。
また、貿易相手国の厚生加重をゼロにした場合に同じ形の報復を受けるのであれば、どの国もそうした協力関係を停止するインセンティブを持たないという推計結果が得られたという。その反面、米国が他国の厚生加重をゼロとする一方で、他国が自国と同様に米国を大切にするという、米国を利する形に変じた世界貿易システムは、米国の実質所得を引き上げるという結果が得られたとのことである。ただし、そのような極端な形の再編で米国が得る便益は、現在の貿易システムの1/20に過ぎないとの由。




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