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日本の物価が相対的に下がると円の実質実効レートは下がる・その2

前回エントリでは2022/2/20エントリの交易利得への為替の影響のグラフを延長してみたが、今回は2022/2/19エントリの実質為替レートのグラフを延長してみる。
以下は円の実質実効為替レート指数と実質ドル円相場の図*1

引き続き実質ドル円相場は円の実質実効為替レートと概ね同様の動きをしていることが読み取れる。

以下は実質ドル円相場の構成要素である「1/円ドル相場」と「国内物価指数/米国・物価指数」の図。

前回のエントリでは「物価比は長期低落傾向にあり、後者が実質相場に対する継続的な押し下げ要因となっていることが分かる(ただし13年以降はその押し下げ圧力が鈍化している)」と書いたが、その後20年から22年に掛けて米インフレ上昇を受けて押し下げ圧力がいったん高まった後、米インフレの落ち着きと日本のインフレ上昇を受けてほぼ横ばいに転じたことが読み取れる。名目円相場もそれと軌を一にするように20年から22年に掛けて大きく低下した後に横ばい気味で推移しており、直近ではもはや前回のエントリで書いた「概ね過去30年間の平均的な水準で推移している」という状況にはない。

以下は上の最初のグラフに生産性比で基準化した実質実効ドル円相場を追加した図。

生産性は2023年までしか更新されていないが、それで実質化した円相場もやはり20年から22年に掛けて大きく低下している。とは言え、過去と比較した場合は物価で実質化した円相場ほどの低水準にはなく、今世紀初め頃の水準に戻った形になっている。

以下は上の2番目のグラフに生産性比を追加した図。

前回のエントリでは「ざっくり言って90年代半ばまでは日本の米国と比べた物価の低下度合いが日本の米国と比べた生産性の上昇度合いをある程度反映していたが、その後の物価の低下は生産性とほぼ無関係ないし逆方向の動きになったように思われる」と書いたが、その傾向は強まったように思われる。

前回のエントリに書いたように、これまでの円安は名目ベースではさほどの円安ではなかったが、物価での実質ベースでは内外の物価要因の差で円安が進行していた。ただし、生産性での実質ベースではやはりさほどの円安ではなかった。一方、2020年以降の円安は名目ベースでみても円安が進んだことが一つの特徴と言えそうである。

もう一つの特徴は、日本と比べて米国でインフレが大きく高進したことにあると思われる。その点をより明確化するため、前回のエントリの元となった円安バブル論というバブル - himaginary’s diaryで示したグラフも延長してみる(ただし実質実効為替レートに合わせて物価は企業物価からCPIに切り替えている)。

こちらのグラフでは1973年で基準化した円相場を描画しているのでより話が見えやすくなっていると思われるが、前回のエントリのタイトルとした「日本の物価が相対的に下がると円の実質実効レートは下がる」という以前から進行していた事象が20年から22年に掛けて一層明確に現れたことが読み取れる。もちろん、名目円相場も軌を一にして低下しているが、物価で実質化するとその低下が大きく増幅され、過去と比べてかなり低い水準に落ち込む形になっている。なお、生産性で実質化した円相場も低下しているが、先述の通り、物価による実質値はもちろん、名目値と比べても、過去との比較という点ではそれほど低い水準にあるわけではない。

参考までに、(同エントリで示した)物価比率と生産性比率も1973年で基準化した図、および(補足エントリ円安バブル論というバブル・補足メモ - himaginary’s diaryで示した)生産性から試験的にデフレ効果を除いた図も延長しておく。


*1:前回は2010年基準だったが、今回は2020年基準になっている。




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