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カナメストーンが重ねていく"青春"のページ


過去最高レベルと名高い『M-1グランプリ2025』、カナメストーンが敗者復活戦で21組の中から勝ち上がった瞬間、わたしは涙を流しながら、雄たけびを上げていた。カナメストーンに対する、この強い思い入れは何なのだろう。ファンの熱量は異様に高く、芸人からの支持も厚い。M-1はラストイヤーであり、芸歴は15年。ニューヨーク、鬼越トマホーク、横澤夏子おかずクラブ、Aマッソ、野澤輸出、マテンロウ、デニス、黒帯あたりと同期。


M-1グランプリ』での漫才を見ただけではピンと来ない人も多いかもしれない。カナメストーンの漫才は、ボケ数が多いわけでもないし、テンポ感があるわけでもないし、芸能人の名前を連発するし、構成も変だし、M-1グランプリという賞レースで勝つためにこうあるべきという枠組みから明らかに逸脱している。審査員たちは、それを"雑味"と評していた。「こうあるべき」をわかった上で、そういった効率的なものを無視し、“俺たちがおもしろいと思うこと”をやる。その覚悟と決意、そして、それを感じさせない底抜けの明るさと軽さ。そこに痺れてしまうわけだけど、もっと説明が必要だろう。一体、カナメストーンの何がそこまで人々を惹きつけるのか。“人たらし”なカナメストーンの魅力について考えてみたい。


まず、カナメストーンはとても仲がいい。ポッドキャスト番組『カナメストーンのカナメちゃん村』は“放課後を会話盗み聞き”しているようなと評される、部室ラジオの真打ちという感じ。そう聞くと、ホモソーシャル的なものを連想するかもしれないが、彼らを表すのにふさわしい言葉はブロマンスだろう。山口が連発する“モチロン”、“キビシィ”、“ナニッ" 、“ゴメンネ”、"ウソダロッ"、"キィヨォ"、“限りです”といった言葉遊びの数々に、「クックックッ」と笑う零士。その様相は、2人だけにしかわらない言語で戯れる恋人のようである。カナメストーンの間には性愛を超えた愛情があって、共同体といった言葉も生温く、もはや2人で1つの身体であるような結びつきがある。


そんな仲良しの彼らは中学の同級生コンビで、驚くべきことに、板橋区の古い一軒家に15年以上にもわたり2人で暮らしていて、その様子はYouTubeチャンネル『しゃれこめカナメストーン』で堪能することができる。


金銭的な理由で2人暮らししているのでなく、“2人でいるのが楽しい“から一緒に住んでいるのだ。芸人コンビであるので仕事はもちろん一緒。それでも飽き足らず、家に帰っても一緒。同じ飯を食い、眠る直前まで、片方の部屋に集まりお喋りをしている。NSCの同期であるニューヨーク屋敷は2人をこう評す。

“青春の1ページ”がもう辞書くらい続いてるやん

青春の延命。素敵だけど、危険だ。お笑いシーンでは圧倒的に人気者で、ライブでは敵なしの彼らだが、一般的に言えば売れていない無名の芸人。借金も抱え、40歳を目前にして、不安や焦燥は絶対にあったはず。それでも、彼らは

俺たちは大丈夫だ

と自らを鼓舞し、いつだって底抜けに明るく楽しそうに暮らしている。


なんでもわかりあえる友達と、好きなことをして働き、ずっと楽しくやっていく・・・羨ましい。けど、自分には無理。社会のルールのようなものと照らし合わせ、安定した道を選んでしまう。つまり、カナメストーンというのは、わたしたちが進みたかったけど、選べなかった道なのだ。しかし、選ばなかったからといって無関係なわけではない。その道を進んでいたかもしれないわたしもまた、現在のわたしの一部であって、カナメストーンが楽しくやっている姿を見ると、まるで別の世界線の“わたしたち”が笑っているように感じる。それがカナメストーンというコンビが持つ、異常なまでの引力の秘密ではないだろうか。


<余談>
安定した道を選んだこっちのわたしは、娘が生まれた。『M-1グランプリ』の敗者復活を無理矢理に鑑賞させられた彼女は、カナメストーンの名前を覚え、鍵盤を叩きながら「あーーー」と悪魔に連れていかれる遊びにハマっている。どうかカナメの2人のように、ひょうきんに明るく育って欲しい。




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