親しい友人の息子さんが企画・プロデュースを担当したというので、映画『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』をその友人と見に行った。なんでも、映画は公開日の客の入りが大切だそうなので、公開日の昨日、朝一番の回を鑑賞した。
これも原作はコミックとのことで、人物は三頭身の可愛らしさで、戦争ものである以上つきものの残虐なシーンをソフトにするのに一役買っている。

冒頭、まさに地上の楽園のような美しい島の様子が描かれる。この美しい島を、大日本帝国の醜い野望が無残に荒らしてしまったのだと心が痛む。パンフレットの考証担当の方のところを読むと、ナパーム弾で焼かれてはげ山になっても、自然はたいそうたくましく、1年もしないうちに緑で覆われたそうだが、陸に海に今もたくさんの戦争遺物が残っていることだろう(そして遺骨も)。
このペリリュー島に送られた水戸歩兵第2連隊総員3600人のうち、生きて日本に帰れたのは34人。犠牲となったのはほとんどが20代の若者だった。さらに悲劇的なのは、日本の無条件降伏・敗戦を知らず(アメリカの新聞を拾って知るのだが、上官は嘘だと聞き入れない)、彼らが米軍に帰順したのは1947年の4月だという。
グアム島の横井さんやルバング等の小野田さんのことは知っていたが、このペリリュー島の悲劇は知らなかった。終戦の報が届いていれば、「生きて虜囚の辱めを受けず・・・」などという教育をされていなければ、もっとずっと多くの若者が帰還できたのに。
私が子供だった頃は周囲に実際の戦争を知る大人がいっぱいいたので、自分自身は戦後生まれでも結構戦争の実態を感じながら育った。けれども今の若い人たちは、映画やゲーム・コミックの中のフィクションの戦争しか分からないだろう。
この作品はソフトな描写にしながらも戦闘の実際が描かれているし、上官の暴力や仲間同士の殺し合い、個人というものの抹殺など、戦争やその時代の問題点がいろいろ描き込まれている。
ラストは感動物語にせず、乾いた描写がかえって余韻を残し、深く胸を打った。

昨日の午後は来客ラッシュ。一緒に民生委員をした方からいただいた手作りケーキで今日のお茶。