友人が、先々月病院のベッドの上で誕生日を迎えた私にくれた手紙に、少しでも夜気持ちよく眠りにつけるようにと、おまじないの歌というのを書いてくれていた。
鹿たちも若草の上(へ)に眠るゆゑおやすみ阿修羅おやすみ迦桜羅(かるら) 永井陽子
毎晩、優しい目をした鹿や阿修羅や迦楼羅が気持ちよさげに眠っているさまを想像したが、なかなか私のもとには安らかな眠りは訪れなかった。
手紙には、「奈良ホテルに泊まって、阿修羅や迦楼羅に会いに行ったり山野辺の道を歩いたり、いつか御一緒できたらいいですね。季節は春、のどかな奈良を」とあって、友人とゆっくり歩く山野辺の道を思い、早く元気になりたいと思った。
同じく友人の記してくれていた歌。
一生を一夢(いちむ)と言へど七十路(ななそじ)に見残る夢のまだまだあるかな 伊藤篁秋
まだまだ見残る夢を実現するためにも、なんとか元のように歩ける体を取り戻さなければ。

Xの画像をお借りしました。