日曜劇場『御上先生』が終わった。現代社会の問題を扱いながらも常に希望が見えて、良いドラマだった。良いドラマであったことは認めながらも、スケールが小さかったことを残念だとする記事を今日ネット上で見たが、私はこれで良かったと思っている。
このドラマで、降格人事として私学の高校教師として赴任する文部官僚御上(松坂桃李)が、担任となったクラスの生徒たちにいつも言っていたのは「考えて」「自分の頭で」ということだった。そもそも文科省の同期の槙野(岡田将生)とともに目指したのは、日本の教育の改革だ。教育を変えなければ、この国は亡ぶと。
私も今の世の中の問題を考えていると、いつもどうしても政治に行きつき、そうするとまたどうしても選挙に行かない半分の人、そして選挙には行ってもSNSなどのいい加減な情報を信じて投票してしまう人のことに行きついてしまうのだ。
御上先生が「考えて」と同じくらい何度も口にしていた言葉、「パーソナル イズ ポリティカル」。あなたの生きにくさは自己責任なんかじゃない、政治の問題だよということ。このことに人々が気づいて、有権者の投票行動が変わらない限り、いくら深い闇を暴き大物の悪事を暴いたところで、ラスボスが交代するに過ぎない。また別な者たちが国民を搾取するだけなのだ。
確かにたった三か月で勝負しなければいけないドラマとしては、もっと政界の大物をやっつける話にした方が爽快感もあって盛り上がったかもしれないが、実際は、地味でも遠回りでも、コツコツと教育を変えていくしか本当の解決はない。
教師のなり手が不足しているというニュースをよく目にする。このドラマでは、甘いことは言わないけれど真に生徒たちのことを思っている御上先生は1年間でがっちりと生徒たちの心をつかみ、同期官僚の槙野を嫉妬させ、彼に通信で教職資格を取るとまで決心させる。現実にはこんなにうまくいくことは難しいかもしれないが、雑務などに振り回されずきちんと生徒と向き合えれば、教師という仕事が面白くないわけはない。
御上先生の担任した3年2組の生徒たちは、今度選挙があったらきっと全員投票に行き、自分の頭で考えた候補に一票を投ずることだろう。すぐに劇的に変わるということはないだろうが、バタフライエフェクトのように、ほんのちょっとの変化が思わぬ影響を広げていくかもしれない。

掃除機が苦手な猫が多いらしいけど、あたしは平気よ。遊び毛を掃除してもらってます。自分の頭で考えて、これは怖くもなんともないって分かったの! ーーbyドリーム