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つながっていく人の想い『クスノキの番人』東野圭吾著

水商売で働く母と妻子ある男との間に生まれた玲斗は、父親である男に認知もしてもらえず、母は早くに死んで、祖母と二人で生きて来た。

 

働いていた工場を理不尽な理由で解雇され住む所も失った彼は、残りの賃金ももらえなかった腹いせにその工場に盗みに入りつかまってしまう。住居侵入、器物破損、窃盗未遂。どうせ住む所もないし、刑務所行きでもいいかと投げやりな気持ちになっていたところに弁護士がやって来る。

 

玲斗の知らない依頼人からの手紙には、この弁護士にすべて任せれば無事に釈放されるはずだと書かれていた。そして釈放されたのちはあなたに命じたいことがあり、その命に従えば今回の費用はこちらで支払うと言う。

 

迷った玲斗はコイントスでこの話に乗ることを決め、晴れて自由の身になって謎の依頼人に会うことになる。その人は亡くなった母の年の離れた異母姉妹つまり玲斗にとっては伯母にあたる柳澤千舟だと言い、自分が管理する月郷神社の大クスノキの番人をすることを玲斗に求めて来た。

 

その直径が5メートルもあろうかと思われる大クスノキの幹には三畳間ほどの広さのある洞があり、そこに籠った人が念をクスノキに預ける(預念)と、のちにその縁者がその念を受け取る(受念)ことができると言われている。代々柳澤家が管理し番人を務めてきたとのこと。

 

ここに受念のために何度も通って来る佐治という男性がいる。その娘の優美は父親の浮気を疑い、父親がクスノキの中で何をしているのかを知りたくて後をつけて来る。こうして玲斗と優美は知り合い、父親の不倫を暴こうとする優美に玲斗は巻き込まれ、その中で謎に満ちたクスノキのことや柳澤家のこと、さらに自分の出自について知っていく・・・。

 

祖母以外この世に家族や親せきはないものと思っていた玲斗は、突然現れた母親より20歳ほども年上の伯母に戸惑い、また訳も分からずクスノキの番人をさせられことになるが、読者のほうも玲斗とともにクスノキだの祈念(預念と受念を合わせた呼び名)だのという世界に放り込まれ、彼と優美とともに謎を解いていくことになる。

 

謎が解けていくにしたがって、念を預ける人受ける人たちの想いに心を揺さぶられる。また貧しい中で育った玲斗だったが、その魂は清らかで、この素直な青年が孤独で捨て鉢な人生と決別できたことに嬉しくなる。

 

クスノキによって念が時間や空間を超えて伝えられるという部分はファンタジーだけれど、人と人のつながりや世代交代を温かく描き感動的な物語だ。そもそも『クスノキの女神』という作品を読みたいと思ったところ、シリーズ物でこちらが第一作ということで手にしたので、これはぜひ女神のほうも読まねば!

 

 

 




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