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六甲山を縦走したい!(1)

 おのれの身のほどを知ってさえおれば、牛と同じ大きさになろうとした蛙のように膨れ上がることもないのじゃ。(『ドン・キホーテ』後編2 牛島信明訳)

以前からぼんやりと頭に描いていた六甲全山縦走計画を実行しようと思った。

どのくらいぼんやりかというと、2023年の12月に自分の誕生日にモンベルに行き登山靴を買ったのだがその際店員から「どのような山にどのような目的でいつの季節に?」的な、登山靴を売る人間なら当たり前に聞くであろう質問をされて、その時点ではただなんとなく登山靴が欲しいというだけで具体的な山行のイメージがなかったため言葉に詰まり「いつか六甲縦走とかしたいんですよねー」などときわめて適当に答えた、というレベルのぼんやりしたイメージである。

「六甲全山縦走」と言っても他府県に暮らす人間からすれば意味不明な言葉だと思う。
しかし神戸に住んでいるととにかく六甲山系の山々が身近な存在になって、私もまた東京に暮らしていた頃は山なんてまったく縁がなかったが神戸に来てからは何かと近くの山に登るようになった。以前神戸市のサイトで連載していた『ごろごろ、神戸』でもたぶん3回くらい、山に登った時の話を書いている。

摩耶山→ 第40回 摩耶山の思い出 - 『ごろごろ、神戸2』『ごろごろ、神戸3』

錨山→ 第12回 ビッグ赤ちゃんイカリ山 - 『ごろごろ、神戸2』『ごろごろ、神戸3』

高取山→ 第21回 高菜炒めつくろう - 『ごろごろ、神戸2』『ごろごろ、神戸3』

ちなみに(話が脱線してしまうんだけど)『ごろごろ、神戸』で言うと、上のリンクが2018年と2019年のもので、自分が神戸の山に最初に登った=出会ったのは2017年7月のこの回だと記憶している。

鉢伏山・旗振山→ 第10回 スマ!スマ!スマ! - 『ごろごろ、神戸2』『ごろごろ、神戸3』

この時は当たり前のようにロープウェイやカーレーター(この場所にしかない妙な乗り物)や観光リフトを使った。足で登る発想すらなかった。ただやっぱ『ごろごろ、神戸』の連載の流れを見てみると、さすが神戸は毎日登山(毎日+登山ではなく「毎日登山」これ自体がひとつの名詞なのだ。明治時代にやって来た外人発祥とされる。毎朝近所の山に登って「さあ今日もがんばりますか」みたいになる、今でも続く独特の文化)の町である、というか、こんな自分でさえなんとなく日常生活の延長で「山にでも登るか」みたいな気分に変化しているのがよくわかるのだ。『スマ!スマ!スマ!』という話を書いた後、舞台の音楽祭をやっていた方たちとしゃべる機会があって、「機材を運ぶ手段がないからみんなで人力で機材を運んだんですよ」などという話を聞き、その時点での私は機材を運ぶ苦労以前に「この山を自分の足で登るのか」などと思っていたので、あれから8年くらいがたち……今の自分は(出来るのかどうかはともかく)「六甲山を縦走したい!」などと書いているのだから、山というものが身近になっていることだけは確かであり、人間の認識というのはいかようにも変化するものである。

ともかく。神戸では山を歩いているといたるところに(ときには住宅地にさえ)「六甲全山縦走路」なる案内板が設置されているのでその言葉が無意識下に刷り込まれ、私は「なんやそれ?」から次第に「いつか自分も」みたいな気持ちになっていったのであった。

縦走のスタート地点は神戸市の西の端っこである塩屋である。

毎年神戸市では六甲全山縦走大会が市公式でおこなわれていてそのスタート地点は塩屋ではなく隣の須磨浦公園駅からなのだが、これはおそらく地域住民のクレームがあったのではないかと想像している。だいたい2千人くらいが参加する大会らしいので、狭い路地に住宅が密集している塩屋地区をスタート地点にするのは相当に無理があるからである。だから住人が少なくてあまり迷惑のかからなそうな隣の須磨浦公園スタートに変更したのだろう(知らんけど)、というあれで、私は別に大会に参加するわけでもなく一人で歩くだけだから元祖スタート地点の塩屋でいいだろう。そしてゴールは六甲山脈の東の端、宝塚である。全長は約50キロくらい。50キロということは平地だと休みなく歩いたとして10時間くらい。だから、山道だからだいたい20時間くらい?……とか適当な皮算用をしてみるが、実際にどれくらいかかるのかはわからない。あとそもそも私は平地とか山道とかに関係なくそんな長距離を一度に歩いたことがない。18歳の時に大阪から広島まで歩こうとして、その時は一日に20キロ歩くのが限界だった。しかも30年前の話だし。しかも20キロだし。ともかく何もかも未知数である。




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